多田野G斬り!投げれば6連勝

[ 2008年6月13日 06:00 ]

<日・巨>6回 無死 二塁 ラミレスを投ゴロに打ちとる日ハム・多田野

 【日本ハム3-2巨人】巨大戦力を相手に7回4安打1失点で無傷の3勝目。巨人戦の連敗を3で止めた日本ハムの逆輸入ルーキー多田野は「何としても勝ってやろうと。小さいころからテレビで見ていたチームに勝てたのはうれしい」とはにかんだ。

 自分の野球勘を信じた。初回、1死二塁で主砲・小笠原を迎えた。カウント2―2から選択した球種はフォーク。「普通のフォークです。表示が間違っているんじゃないですか」と話したが、球場の表示は94キロ。完全にタイミングを外して空を切らせた。予想もしない超遅球に2年連続MVPを獲得した強打者は「緩急を使う投手はたくさんいるけど、何なんだろうね」と首をひねった。

 試合前に相手の映像をチェックするのは当然だが、多田野は「10のうち1か2ぐらいしか情報を入れない」と話す。最も重要視するのは打者と対戦して初めて感じる雰囲気。単身、海を渡りマイナーからメジャーにはい上がった雑草右腕は「初球を投げれば、だいたい何を狙っているか分かる」と言う。6回にはボークでピンチを広げ、内野ゴロの間に1点を失ったが、崩れない。強じんな精神力と冷静な判断力で凡打の山を築いた。

 勝利の方程式につなぐため余力を残した形でお役ご免となったが多田野登板試合は6戦全勝、開幕からの木曜不敗神話も9に伸びた。梨田監督は「危険球で退場しても後の投手が0点に抑えるし、代打を出したら逆転する。不思議な力を持っているね、ありがたいよ」と新人右腕を拝んだ。多田野も「僕で止まらなくてよかった。自分の連勝はいつまでも続けたい」と力を込めた。米国仕込みの野球勘に磨きをかけて、負けない多田野の神話を継続していくつもりだ。

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2008年6月13日のニュース