兄さんお先に!東洋大・上野 東京D1勝

[ 2008年6月13日 06:00 ]

<函館大・東洋大>完封勝利を果たした東洋大・先発投手の上野

 全日本大学野球選手権第3日は12日、東京ドームで2回戦4試合が行われた。第1試合では昨秋明治神宮大会に続く全国連覇を目指す東洋大の上野大樹投手(4年)が2安打13奪三振で完封。函館大を下して8強入りを決めた。東北福祉大、東日本国際大、近大がそれぞれ勝って8強が出そろった。13日は神宮球場で準々決勝4試合が行われる。

【日程&結果
全日本大学野球選手権特集


 【東洋大4-0函館大】4年生の意地だった。13奪三振で完封した上野は無表情でマウンドから降りてきた。

 「かっこつけました。今大会はオレがやってやるという気持ちだから。抑えられる自信はあった」。最速143キロの直球にスライダーを内外角に決めてわずか2安打。無四球で3回以降は走者を許さなかった。

 帝京では甲子園で登板はなく、大学入学後も中継ぎが中心。昨秋からようやく先発入りを果たした。それでも“戦国東都”で今春3連覇を果たしたチームで最上級生の上野は2勝。4勝の乾(2年)、3勝の内山(1年)ら後輩に後れを取った。「口にしないけど相当意識はあります」。1週間前に初戦の先発を通達されてから、虎視たんたんとこの日の快投を狙っていた。そして大舞台で堂々の“全国1勝”を手にした。

 東洋大で14勝を挙げて巨人2年目の左腕、兄・貴久はプロ未勝利。尊敬する兄より一足早く“ドーム1勝”をマークして「怒られるかもしれないけど、早くここ(東京ドーム)で活躍してもらいたい」。目指すは昨秋明治神宮大会に続く連続日本一。22年ぶりの頂点へ上野がフル回転を誓った。

 ◆上野 大樹(うえの・ひろき)1986(昭61)10月13日、東京都生まれの21歳。帝京1年夏に控え投手として甲子園出場も登板なし。2年秋からエースも3年夏は東東京大会5回戦敗退。東洋大1年春からベンチ入りして、3年秋に初勝利。リーグ戦通算22試合で3勝2敗。家族は両親と兄(貴久=巨人投手)。1メートル81、78キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

2008年6月13日のニュース