先発全員13安打!Gコツコツ連敗止めた

[ 2008年6月5日 06:00 ]

<オ・巨>原監督(左)は最後を締めたクルーンを出迎える

 【巨人4-2オリックス】みんなで泥くさく、コツコツとつかんだ勝利だ。巨人は4日のオリックス戦で先発全員の13安打をマークし、連敗を4で止めた。初回に小笠原道大内野手(34)が先制二塁打を放つと、下位打線の脇役たちは6本の内野安打で出塁。先月28日に今季初めて勝率5割にたどり着いてから4連敗で失速したが、文字通りの全員野球で再スタートを切った。

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 若手が、ベテランがボールに食らいついた。必死に走った。重ねた安打は13本。うち内野安打は6本だ。「重量打線」の看板を一時返上しているG打線が5月10日の中日戦(東京ドーム)以来、今季2度目の先発全員安打。負ければ5連敗、首位・阪神と今季最大11差となる可能性もあった正念場で、ナインが泥にまみれて白星をつかんだ。

 今季初の勝率5割にたどり着いた5月28日以来、7日ぶりとなる勝利のハイタッチ。原監督は開口一番に「楽な試合ではなかったです」と安どの表情を浮かべ「今はこういう戦い方をしないと五分にできない。選手も粘ることを強く意識してやってくれた」と目を細めた。

 勝利への先導役は小笠原だ。初回、5月1日の広島戦(東京ドーム)以来の1番となった坂本が左前打を放つなどして無死一、二塁。右翼線に先制二塁打を運び「チャンスをつくってくれたから、何とか食らいついた」と胸を張った。福岡からの移動日だった2日は若手とともに休日返上で練習。昨オフに手術した左ひざをかばいながらも全力で二塁に到達し、この回の3得点を演出した。

 7回は阿部に代わって今季初の5番に座った谷が、打撃好調のラミレスが敬遠された直後の2死一、三塁で二塁内野安打。貴重な追加点を挙げて「今後も勝利に貢献したいね」と笑った。得点にはつながらなかったが、下位打線の隠善、古城、脇谷が、それぞれ内野安打を放つなど粘りの走塁も披露。2回無死一塁の守備では大引の三ゴロを脇谷がダイビングで処理し、空いた三塁を遊撃・坂本がカバーして三塁進塁を狙った一塁走者・後藤を憤死させた。走攻守での必死のプレーが、グライシンガーの粘投を支えた。

 開幕から二岡、高橋由が故障で戦列を離脱。李スンヨプも不調で2軍落ちとなり、代役で昇格したゴンザレスは薬物使用で5月中旬に解雇された。現在、チームの半数は低年俸の若手。連日、上位、下位の打順が入れ替わるチーム状況でもあり、不動の3番を務める小笠原も「もう少し、もう少しだね」と口を真一文字に結んだ。

 まだまだ借金3で4位。それでもチームが目指す“戦い方”が見つかった意義ある1勝だった。

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2008年6月5日のニュース