真央 シニア自己ワーストで6位発進

[ 2009年10月25日 06:00 ]

女子SPの演技を終え、肩を落とす浅田真央

 フィギュアスケートGPシリーズ第2戦ロシア杯第1日は23日、ロシア・モスクワのメガスポルトで行われ、女子ショートプログラム(SP)で、浅田真央(19=中京大)は、冒頭のトリプルアクセルに失敗。シニア自己ワーストの51・94点で6位と大きく出遅れた。安藤美姫(21=トヨタ自動車)は3位発進。また、24日の男子フリーで小塚崇彦(20=トヨタ自動車)は139・63点の2位、合計も215・13点で2位。優勝した06年トリノ五輪以来の国際舞台となったエフゲニー・プルシェンコ(26=ロシア)が圧勝した。

 SPで真央の抱える問題点が浮き彫りとなった。冒頭のトリプルアクセル―2回転のコンビネーションの失敗がすべてだった。トリプルアクセルが回転不足でダブルアクセルと判定された。
 女子SPではダブルアクセルを必ず盛り込まなければならないが、同じジャンプを2度跳んでもいけない。冒頭のトリプルアクセルがどう判定されたか演技中には判断できないため、真央は予定通りにダブルアクセルを跳んだ。これが「同じジャンプの繰り返し」の規定違反とされ0点になり、シニア自己ワーストの低スコアにつながった。
 初めてSP冒頭にトリプルアクセル―2回転のコンビネーションを組み込んだ4月の世界国別対抗戦では成功し、先週のフランス杯では大失敗のシングルアクセル(1回転半)となったことで問題点が表面化していなかったが、トリプルアクセルをSPのプログラムに組み込む限り、今後も同じケースが起きる危険性がある。得意技は、まさに“もろ刃の剣”であることを露呈した格好だ。
 ショックのあまり、真央が報道陣の前に姿を現したのはスコアを見届けてから約1時間後。目を赤く染め「疲れとかは全然ない。自分の気持ちだけかな。ジャンプが決まらないと始まらない。しっかりと気持ちを整理した方がいいかな」と絞り出すのが精いっぱいだった。
 五輪本番で同じ構成で臨んだ場合、冒頭の大技にプレッシャーがかかるのは間違いない。問題のコンビネーションをアクセルではない3―3回転にすれば、たとえ失敗しても後で跳ぶダブルアクセルと重複する危険性はなくなる。ただ3―3回転は昨季10回チャレンジして成功は1度だけ。大技の精度を上げるのか、苦手を克服してまで構成を変えるのか。代名詞ともいえるジャンプが真央を苦しめている。

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2009年10月25日のニュース