“概念”覆す末脚で3冠!小平、エースに名乗り

[ 2009年10月25日 17:52 ]

女子1500メートルで優勝し、声援に笑顔で応える小平奈緒

小平奈緒、大会新で3冠

 【全日本距離別選手権】女子1500メートルの20組目。同走した日本記録保持者の田畑が先に最終カーブを抜けてきた時点で勝負あったかに見えた。だが、ここから小平は「気持ちのスイッチが入った。エンジンをかけた」。短距離選手の概念を覆す末脚で、一気に前へ。「ストレートで並べば負けない自信はあった」と胸を張った。
 500メートル、1000メートルの短距離2種目に続いて表彰台の真ん中に立った。2001年の田畑以来、史上2人目の3冠に、鈴木恵一強化部長は「誰が見たって今の女子のエース」とうなった。
 武器は豊富な練習量。中学、高校で指導した新谷純夫さんは「練習したがらない子は多いが小平は逆。組んだメニューは体調が悪くてもやろうとするから止めるのが大変だった」と振り返る。努力の蓄積が23歳で迎える冬季五輪シーズンに花開こうとしている。
 来年2月のバンクーバーで、メダルにも届きそうな勢いだ。「特に1000メートルが楽しみ。団体追い抜きも面白い」と鈴木部長。ただ本人は「五輪、五輪と言うがスケート人生の大きな舞台の一つ」と、長い前途を見つめる。大会最後の男子のレースが終わった氷上には、次の課題を確かめるように滑る姿があった。

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2009年10月25日のニュース