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ドノバンのロスタイム弾で米国1位通過

[ 2010年6月24日 06:00 ]

<米国・アルジェリア>前半、競り合うアルジェリアのイエブダ(左)と米国のボーンスタイン

 米国が劇的勝利で16強入りした。米国はアルジェリアに1―0で勝ってC組1位で決勝トーナメント進出を決めた。0―0の後半ロスタイムにエースのMFランドン・ドノバン(28=ロサンゼルス)が決勝点を決めてチームを敗退の危機から救った。イングランドはFWジャーメイン・デフォー(27=トットナム)の先制点を守り抜いて1―0でスロベニアを下し、2位で1次リーグを突破した。

 米国が劇的勝利で02年日韓大会以来2大会ぶりの決勝トーナメント(T)進出を果たした。スコアレスドローで1次リーグ敗退…と思われた後半46分、シュートを相手GKがはじいたこぼれ球を後方から走り込んできたMFドノバンが右足で押し込んだ。4分が表示されたロスタイムに突入した直後に飛び出した起死回生の決勝点。腹ばいでピッチにスライディングするドノバンにチームメートが突進し、全員で喜びを分かち合った。
 同時進行で行われていたスロベニア―イングランド戦はイングランドの1点リードで前半を折り返していた。米国が決勝Tに進出するには勝利するしかない。だが、0―0のまま試合は進んだ。前半からMFデンプシーらのシュートはことごとくポストやバーにはじかれた。だが、引き分け寸前、チーム22本目のシュートがようやくゴールに収まった。
 18日の第2戦スロベニア戦では前半を0―2で折り返しながら、後半2点を奪って粘りのドローに持ち込んだ。その追撃となる1点を決めたのがドノバンだ。そして、18、22年のW杯招致名誉委員長を務めるクリントン元大統領も観戦に訪れた運命の一戦。2戦連続で殊勲弾を決めたドノバンは「ゴールを押し込むことだけを狙っていた。勝利が必要だった。この4年間は長かったが、プライドを持って戦った。信じられない!」。最後の最後に起きたドラマに興奮を抑えられなかった。
 昨年6月、W杯前哨戦のコンフェデ杯でスペインを破って決勝進出。決勝ではブラジルに敗れたが、下馬評を覆す準優勝はW杯本大会での上位進出を予感させた。1年後の“ミラクル米国”再現。再び快進撃が始まる。
 ▼米国ブラッドリー監督 あきらめずに頑張った。選手たちを信じていた。とにかく誇りに思う。勝ち点5で1位通過できて非常にうれしい。

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2010年6月24日のニュース