伊集院静さん 不安な記者を後押しした「飛躍するチャンス」の言葉

[ 2023年11月25日 04:33 ]

伊集院静さん死去

伊集院静さんの主な人物交流相関図
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 【悼む】競馬サークルで伊集院静さんを人生の師と仰ぐのが武豊。訃報に言葉を失うほどショックを受けている。

 30年前、当時、スポニチの競輪記者だった私は競馬担当に人事異動となったことを最初に連絡したのが伊集院さんだった。競輪の旅打ちに何度か同行させてもらうほど親しくさせてもらっていたので、離れる寂しさを伝えるつもりだったのと、競馬に知識がないことの不安からだったが、こんな言葉で後押ししてくれた。

 「競馬担当は記者として飛躍するいいチャンスだ。俺からユタカに伝えておく」。武豊にあいさつに出向くと「伊集院さんから話は聞いています」に始まり、約30年後の現在まで近しい関係でいさせてもらっている。その点においても感謝しかない。

 数年前、東京・銀座の「伊集院静展」ではビートたけしさんや、長嶋茂雄さんとの付き合いを記した文章や写真に多くの来館者は足をとめていたが、むしろ驚いたのは競輪のハズレ車券の山だった。「よくためてましたね」と連絡するや2人で笑い合った。

 最後に電話で話をしたのは今年の日本ダービー直後。ほどなくして伊集院さんから自宅に届いたのは、ゴルフ場で世界ランク入りする兵庫県の廣野ゴルフ倶楽部の写真集だった。巻頭に「情熱と運命」と題して伊集院さんが筆をとっている。挟んであったのが「存分に楽しんでください」の文字。

 伊集院さん、教えてください。人生を存分に楽しみましたか。(レース部記者・菱田 誠)

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