「犬神家の一族」史に刻む衝撃のラストへ NHK版明日後編!吉田照幸監督 次は「本陣殺人事件」に意欲

[ 2023年4月28日 10:30 ]

特集ドラマ「犬神家の一族」後編。湖面から突き出る“逆さ足”にボートで向かう警官たち(C)NHK
Photo By 提供写真

 俳優の吉岡秀隆(52)が主演を務めるNHK版金田一耕助シリーズの最新第4弾「犬神家の一族」は29日(後9・00~10・30、BSプレミアム・BS4K同時)、後編が放送される。

 推理作家・横溝正史の傑作ミステリーを前後編各90分のボリュームでドラマ化。「獄門島」(2016年)「悪魔が来りて笛を吹く」(18年)「八つ墓村」(19年)に続き、4年ぶりとなる待望作。吉岡は前々作・前作に続き、3回目の名探偵役。湖畔の屋敷を舞台に、名探偵・金田一耕助が犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛の莫大な遺産をめぐる謎の連続殺人事件に挑む。

 演出は第1弾から引き続き、吉田照幸監督。チーフ演出を務めた昨年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の後、初作品となった。脚本はNHK「岸辺露伴は動かない」シリーズ、アニメ「進撃の巨人」「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズなどで知られる小林靖子氏が担当した。

 前編は今月22日に放送され、BSながら、オンエア終了後(午後11時)には「#犬神家の一族」がツイッターの国内トレンド1位。SNS上には絶賛の声が相次ぎ、反響を呼んだ。

 「細やかな演出、俳優陣の演技にゾクゾク。至福の時でした。後編も楽しみ!」

 「淀んだ気配をさらに停滞させたような画作りがよい。また、緊張感を孕んだ俳優たちの演技は不穏な空気が全く途切れないのがよい」

 「吉田監督らしい、これまでの横溝3作品同様、原作と真正面から向き合った組み立てと質感の前編」

 「吉田照幸さんの作品は画がいちいち美しくて好き!ホント好き!」

 「吉岡版はとにかく心情というものを丁寧に描いている」

 「演技も演出も素晴らしかった。犬神家の人々のドロドロと絡まり合って、ねじれた心情が丁寧に表現されていた」

 「冒頭に戦場場面が入ることで当時の時代相がしっかり表現され、一族を見舞う悲劇に一定のリアリティーを与えている」

 「過去最高の出来では?合計3時間の長尺ゆえの悠々たる語り口に加え、ミステリーとしての勘所を丁寧に押さえて伏線を張る小林靖子脚本がとにかく素晴らしいです」

 「エンディングで流れた上原ひろみさんの『Old Castle,by the river in the middle a faforest(古城、川のほとり、深い森の中)』がドラマチックで素敵」

 「最後の数分間の松子と金田一から目が離せなかった!大竹しのぶさんと吉岡秀隆さんの掛け合いが震えるくらい凄かった」

 後編には、いよいよ湖面から突き出る“逆さ足”のシーンも登場。番組公式ツイッターは「これまでの犬神家を覆す衝撃のラストが、貴方を待っています!」と予告。謎説きに向け、偶然にも大の横溝ファンという小林氏の作劇にも期待が高まる。

 そして、シリーズ第5弾はどうなるのか。構想を尋ねると、吉田監督は「やっぱり金田一耕助が生まれた『本陣殺人事件』は“金田一ビギニング”として映像化してみたいなとは思います」。ここまで4作品を重ねた後の「本陣殺人事件」は“エピソード0”的な位置づけになりそうだが「まさにそうですね。金田一の原点としてチャレンジしてみたいなとは思います」と語った。

 「本陣殺人事件」は1946年、雑誌「宝石」に連載された長編小説で、金田一が初登場した作品。密室トリックが描かれ、48年に第1回探偵作家クラブ賞を受賞した。今回の「犬神家の一族」前編でも、金田一を追い返そうとした部下を、磯川署長(小市慢太郎)が「失礼なのはおまえたちだ!この方は、かの本陣殺人事件をはじめ、数々の難事件を解決した名探偵、金田一耕助さんである!」と叱った中に登場。実現を心待ちにしたい。

続きを表示

この記事のフォト

2023年4月28日のニュース