渡辺2冠、脱帽…感想戦でうめくばかり「凄い人が出てきたなという感じ」

[ 2020年7月17日 05:30 ]

藤井棋聖誕生 史上最年少タイトル獲得   第91期棋聖戦5番勝負第4局 ( 2020年7月16日    関西将棋会館 )

第91期棋聖戦5番勝負の第4局で藤井聡太七段(手前)に敗れ、感想戦で対局を振り返る渡辺明2冠
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 どこで負けていたのだろう。投了寸前の渡辺はあらぬ方向ばかり見つめていた。最後の王手ラッシュも単なる形作り。昨期奪ったばかりのタイトルを譲り「すぐ(棋聖位を)獲られたのは残念。全体として競った将棋で負けている。仕方ない結果だと思います」と心中を明かした。

 主導権を握ることができる先手番。同じ状況ながら敗れた第2局に工夫を盛り込んだが「その後、分からなくなった。いろいろ読めない手が出てきた」と振り返る。藤井の左辺からの攻撃はしのいだものの、右辺からの攻めには苦しんだ。さらに受けたはずの左辺から桂で自王の脱出口をふさがれ万事休す。「その手は見えない…それで(藤井の)勝ちなんだ…」と感想戦でうめくばかりだった。

 「藤井さんとは初めての番勝負。内容的に競ったところで負けている。凄い人が出てきたなという感じ」

 だが脱帽してばかりはいられない。現在進行中の名人戦では3冠復帰のチャンスもある。王座戦も挑戦まであと1勝だ。棋界最強棋士の肩書は色あせない。

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2020年7月17日のニュース