宝塚歌劇 感染防止策徹底で130日ぶり再開 花組新トップ柚香光「舞台を愛していると実感」

[ 2020年7月17日 17:32 ]

130日ぶりに兵庫・宝塚大劇場が再開し、お披露目公演を開幕させた花組トップスター柚香光
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 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、約4カ月間公演を中止していた宝塚歌劇が17日、兵庫・宝塚大劇場で再開した。宝塚では3月9日以来130日ぶり、東京宝塚劇場を入れれば同22日以来117日ぶりに夢の世界が帰ってきた。

 この日、開幕したのは花組新トップスター柚香光(ゆずか・れい)のお披露目公演「はいからさんが通る」。観劇したファンによると、トップの象徴である大きな羽根飾りを背負って大階段を下りた柚香は「休んでいた間に舞台を愛していること実感しました」などとあいさつし、感極まって声を詰まらせる場面もあったという。

 さらに、前日の最終げいこ後には「このように再開できましたのも、たくさんの方々が大変な思いをして闘い続けてきた結果でありますので、その思いを裏切ることのないよう努めて参りたい。私たちがどう日々を重ねるかが、宝塚歌劇だけでなくエンタメ業界にも影響してくるので、責任を感じ最善を尽くしたい」とかみしめるように話していた。

 本番ではソーシャルディスタンスを確保するため、大階段を使って出演者全員が舞台に勢ぞろいするフィナーレは、約8割に抑え、飛沫(ひまつ)感染防止対策としてオーケストラは使わず録音した音源で進行させた。

 客席も最前列は使用不可にし満席2550席のところ約半数の1274席に。立ち見は最大140人収容のところ20人に抑えた。少なくとも3カ所から入れた敷地内へは1カ所に絞り、検温装置を5台設置。楽屋口で大勢のファンが列をなす宝塚特有の「出待ち・入り待ち」は「3密」を避けるため姿を消していた。

 生徒側にも徹底した自己管理を要請している。舞台出演者は起床時に体温チェックを義務づけ、生徒同士の会食も「2人以上は禁止」。6月30日から再開した稽古では、普段は使わない大劇場の舞台、広いロビーも稽古場として使用するなど「密」を避けたという。

 小川友次理事長は、「やっとという思い。それでも用心深く。黄色信号の中でやっていきたい」と再開してもなお、慎重な姿勢を崩さなかった。宝塚市内から観劇に訪れた女性ファンは「客席には空間があったけれど、拍手はいつも以上だったような気がします。泣いているファンの方もいました」などと話していた。同公演は9月5日まで。

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2020年7月17日のニュース