【ROOKIES　猛虎ファイル】ドラ3山田(2) 　中1からセンス抜群　上級生の試合でも見劣りせず

中学硬式野球・仙台東部リトルシニア時代の山田脩也（家族提供）
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　阪神のドラフト3位・山田脩也内野手（18＝仙台育英）は野球一筋で育った根っからの野球少年だ。白球を追っていた兄・利輝（としき）さんの背中を幼少期から追い続けた。走攻守三拍子そろった期待の内野手。高校時代は甲子園に14試合出場、2年夏は優勝、3年の今夏は主将として準優勝へとけん引した。その“甲子園の申し子”の素顔に迫った。（石崎　祥平）

　【中学時代】中学進学後に袖を通したユニホームもタテジマだった。小学校卒業は利輝さんが在籍していた仙台東部リトルシニアに入部。中学1年から抜群の野球センスを発揮し、周囲を驚かせた。

　「こういう選手がプロに行くんだろうなというのはあった」
　指導した大橋正樹監督（53）は第一印象を明かした。特に目を引いたのは打力ではなく、守備力。小柄ながらも肩が強く、フィールディングは上級生と比較しても見劣りしなかった。素質にほれ込んだ指揮官は試合に積極起用。ひと回りも、ふた回りも体格が違う3年生の試合にも出場させて経験を積ませた。「大きく育てたい」。長所を伸ばす指導も奏功。早くも中学2年時には正遊撃と投手を兼任していた。チームの大黒柱となり、試合で活躍するのは当たり前の光景となった。

　一方で、大橋監督は技術以外の魅力も感じていた。「何かやってくれるんじゃないかというオーラが常にあったんですよ」。甘いマスクで学校のクラスでも人気者。バレンタインデーにはチョコレートを20個以上、もらうこともあった。グラウンドでも打つ、走るだけでなく、抑え投手として登板すれば、球速140キロに迫る剛球で周囲を魅了していた。

　順調に成長曲線を描いた脩也は中学3年になると主将にも就任。同時に、その名は東北6県にとどろいていった。そんな中、特に熱心な誘いを受けた高校があった。それは後に高校球界を席巻することになるチームだった。

※【高校時代】へ続く