阪神・森下 新相棒とともに3割&20本塁打狙う グリップエンドない「ピート・ローズ型」バットで勝負

[ 2023年12月23日 05:15 ]

来季に向けた試作バットを手に笑顔の阪神・森下(撮影・椎名 航)
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 阪神・森下翔太外野手(23)が22日、来季はグリップエンドがほぼない「ピート・ローズ型」の新バットを使用する意向を示した。岐阜県養老町にあるミズノ社のバット工場を訪れ、新たな相棒に選んだのはメジャー通算4256安打を誇るレジェンドのモデル。打率向上を掲げる若虎が直感で手にした新アイテムとともに、来季は打率3割20本塁打を目指す。

 伝説の大打者に導かれたようだった。約60本ほどあった名選手たちのバットの中で森下が手に取ったのはピート・ローズのバット。グリップエンドがほぼなく、いわば〝こん棒〟のような形状。そんな特徴的な新相棒を直感で選択した。即座に担当者が希代のヒットメーカーのバットをモデルに試作品を作製。完成した新バットで早速ティー打撃を行い感触を確かめた。

 「(ピート・ローズのことは)分からないけど(自分に)合ったバットがあれば、何でもいい。グリップがないので、短く持っているのと変わらない感覚で打てる。コンタクトはしやすくなった」

 08年にシーズン打率・378を記録してNPBの右打者最高打率を誇る内川聖一氏も、11年オフに同型のバットに一目ぼれし、翌年から使用した。森下が日本球界を代表する右打者と同じ感覚の持ち主であることを証明。イチロー氏やヤクルト・村上らのバットを手がけたミズノ社の名和民夫氏は若虎の行動に目を丸くした。

 「現役選手で(使用するの)は少ない形状。プロ選手に作るのはほぼ初めて。インスピレーションでしょうが、パッと持って、これをと。嗅覚というか、直感力だと思う」

 今季使用していた長さ33・5インチ(約85・1センチ)、重さ870~880グラムのオーソドックスなバットから改良。長さは0・5インチ長くして34インチ(約86・4センチ)に、重さは880、890、900、910グラムと10グラムずつ重くした4種類を用意し、自分に合ったものを選んでいく。「形状のバランスが良くなっているので、重くした割には振りやすさがあった」。短く持っているような感覚を保ちつつも、実際には長く、重くしたバットで飛距離アップにつなげる。

 来季は3割20本を掲げる。「率だけじゃなくて長打も。全てにおいてという思いで作ってもらいました」。今オフは新相棒とともにレベルアップに励み、来季の野望を達成につなげてみせる。(松本 航亮)

 ◇ピート・ローズ 1941年4月14日生まれ、米オハイオ州出身の82歳。「ビッグレッドマシン」と呼ばれた強打のレッズの1番打者として首位打者3度。シーズン200安打を10度はイチローと並び最多。86年引退。メジャー通算4256安打は歴代1位。レッズ監督在任中の89年に野球賭博に関与したとして球界から永久追放処分を受けた。右投げ両打ち。現役時代は1メートル80、87キロ。

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