ソフトB・水谷瞬、勝負の5年目ついに“熱男塾”卒業!? 待望1軍デビューへ「この冬はやらないと」

[ 2022年11月29日 05:00 ]

師匠・松田宣浩の“熱男ポーズ”のものまねを小学生に披露する水谷
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 毎週火曜日にたっぷりとソフトバンクのファーム情報をお届けする「筑後鷹」。第5回は、水谷瞬外野手(21)を直撃した。来季高卒5年目で、強打を売りに初の1軍デビューを狙う。今オフにはソフトバンクを退団し、巨人に移籍した松田宣浩内野手(39)との自主トレ参加が基本線だが自身をさらに追い込むため、己を律するため“脱・熱男”をするべきかを熟考中。勝負の5年目に、かけている。

 23日、山口県周南市の体育館で行われた野球教室。野球少年少女の前で師匠のものまねを豪快に披露した水谷だが、心には迷いがあった。入団1年目オフから自主トレに参加している松田からの事前連絡で、今冬も宮崎での“熱男塾”の頭数に入れてもらった。ただ、来季5年目。自身の勝負の年とみて返事を熟考している。

 「(参加は)迷い中で、まだ決めてなくて。数に入れていただいているが独り立ちした方がいい流れなのか。面倒を見てもらってきて、この結果。申し訳ない気持ちもある。独り立ちをして、教えていただいたことを、結果として出せたらいいなとは思っているのですが」

 師匠の松田は新天地で40歳シーズンにかける。気を使わせたくない、甘えすぎるのも良くない…。など、水谷は“脱・熱男”とすべきか葛藤を続ける。「どっちにしろ、この冬はやらないといけない。とにかく悔いのないオフシーズンにしていきたいと思ってます」

 大卒の甲斐野が1位指名された18年ドラフト5位入団だが、主戦場はウエスタン・リーグ。同期で支配下指名された7人で唯一、1軍経験がない。当然だが、危機感は強い。

 「目標とかではなく、やらないと終わるので。同期は、1軍でやってたりしますが、まずは1年間、自分と闘いたいなと思います。結果が出なかったら来年、たぶんクビだと思うので、終わって泣いているのか笑っているのか。最後にわかればいい。そんな一年にしたいと思いますね」

 1メートル94、93キロの恵まれた体格を誇る右の大砲候補。父がナイジェリア出身のハーフで身体能力が高い。藤本監督には2、3軍時代に徹底的に強打を磨くように指導を受けてきた。監督就任時の21年秋キャンプでは藤本監督との面談で「打撃で悩んでいる」と素直に相談し、今季2軍戦で感触は上向いてきた。終盤に右肩痛で離脱したが、完治。来春のキャンプからは、再びアピールを狙っている。

 「打つ方は、これまででそれなりにできてきた。あとは周囲が安心できる守備と走塁。レベルアップさせないと。空いているところから狙う」

 外野のレギュラー争いは超が付く激戦。まずは1軍公式戦デビューに向けて、スキあらば割って入る覚悟だ。「5年目なんで、(1軍初)出場だけではだめ。狙えるときに、打撃で狙っていきたい」。プロ初安打に初本塁打。刻むべきステップは、これからだ。まずは来季のため、水谷はこのオフに自身の納得する決断を下し、勝負の5年目を迎える。(井上 満夫)

 ◇水谷 瞬(みずたに・しゅん)2001年(平13)3月9日生まれ、愛知県出身の21歳。小学4年で競技を始め、高校は島根・石見智翠館で甲子園出場なしも通算21本塁打。50メートル6秒0の俊足と140メートルを超える打球の飛距離を評価され、18年ドラフト5位入団。当時の理想は、ヤンキース外野手のスタントンだった。1メートル94、93キロ。右投げ右打ち。

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