ソフトB・千賀 恋女房と惜別ラウンド「千賀と野球することがなくなると考えたら」甲斐寂しさ語るもエール

[ 2022年11月29日 05:00 ]

同伴者のショットを笑顔で見つめる千賀(右)と甲斐(撮影・岡田 丈靖)
Photo By スポニチ

 ソフトバンクの選手会ゴルフが28日、福岡県糸島市で行われた。海外フリーエージェント(FA)権を行使してメジャー移籍が決定的な千賀滉大投手(29)も参加。長年女房役を務めた甲斐拓也捕手(30)と同じ組で回った。渡米していたエースは交渉状況を明かすことはなかった一方で、育成同期の正捕手は来季バッテリーを組めなくなる寂しさを感じながらも「第2の千賀」誕生に期待した。 

 千賀と甲斐は未来のソフトバンクや近況について語り合い、18ホールをともにした。子供のようにはしゃいでホールアウトすると、最後は記念撮影。渡米していた千賀はパドレスやメッツなど複数球団と交渉したとみられるが、「僕の立場で本当に話せることはない」と語るにとどめた。

 一方で、来季から海を渡ることが決定的な相棒との思い出を回想した正妻は、言葉を詰まらせながら次期エースの育成を誓った。

 「千賀の抜ける穴は大きいけど、それをカバーしていかないといけない。でも、チームの若い投手はそれだけの素質を持っている。期待したい」

 ともに育成出身で同期入団。そこから「黄金バッテリー」にまで成長した。7年連続2桁勝利を挙げた千賀の存在はあまりにも大きいが、来季15勝を目指す板東、左の本格派の大関、最速160キロを誇る杉山など、成長株がそろっている。それだけに「僕がもっと成長しないといけないし、引っ張れるだけの力を付けないといけない」。扇の要として、責任感は一段と増している。

 ラウンド中には渡米中の経験談や来年3月のWBCの展望について語り合った2人。それでも、こみ上げてくるのはバッテリーを組めなくなる寂しさだ。甲斐は「シーズンが終わって、いざこの時期が来て本当に千賀と野球することがなくなると考えたら…。ゴルフしながらでも考えてしまう」と空を見上げた。それでも、「千賀の夢でもあるし、僕らが託している夢でもあるので頑張ってもらいたい」と力強く背中を押した。

 FA交渉の現状には慎重に言葉を選んだ千賀も、チームの話題には鋭く反応し「どんどんいい選手が出てきて、チームを支えていくのはどのチームでも必要」。3年ぶりのリーグ優勝奪回に必要な“後継者”の誕生を心待ちにした。(福井 亮太)

続きを表示

2022年11月29日のニュース