二松学舎大付の怪物1年生が甲子園王手弾「狙って一発で打てた」 市原監督は片井を「柔らかい」と絶賛

[ 2022年11月12日 13:55 ]

秋季高校野球 東京都大会 準決勝   二松学舎大付8―3帝京 ( 2022年11月12日    神宮 )

<二松学舎大付・帝京>4回、ソロを放った二松学舎大付・片井(撮影・藤山 由理)
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 秋季高校野球東京都大会は12日、神宮で準決勝2試合が行われる。今年の甲子園に春夏連続で出場した二松学舎大付は帝京を8―3で下し、決勝進出を果たした。1年生の片井海斗は「4番・一塁」で出場し、左越えソロを含む2安打3打点で勝利に貢献した。

 敗れれば来春の選抜が絶望的となる帝京との大一番。それでも片井には一片の「カタさ」もなかった。西武・中村をほうふつさせる1メートル75、97キロの恵まれた体格。4―1の4回2死。右の大砲はカーブを柔らかく振り抜いて左翼席に高校通算16号。ホームランアーチストらしい高弾道を神宮の秋空に描いた。

 「浮いたカーブを上手く打てたと思います。真芯をくって飛んでくれた。塁に出ようと思った結果がホームランになりました。変化球を狙って一発で打てたのでよかったです」

 5回終了時で5点リード。それでも今夏の甲子園に春夏連続で出場を果たした強豪の攻撃は止まらない。6回に1点を追加すると、8回は片井が左中間にダメ押しとなる8点目の適時二塁打。2安打3打点と勝負強かった男は「帝京さんに勝てて本当にうれしかった」と大きく胸を張った。

 同校OB・鈴木誠也(カブス)の恩師・市原勝人監督は怪物1年生の打撃を「柔らかいですよね。凄く強振する感じに見えないんですけど柔らかく乗せていくような打ち方で、意外と打球は飛んでいく。今日は片井がセンターの方向に打っていたので、一番しっかり打てていたのは片井だと思います。遠くに飛ばそうというよりは広い範囲に打とうと自覚してくれている。緩いカーブをよく打ったと思います」と語った。

 1年生4番として出場した今夏の甲子園では社(兵庫)との2回戦で左中間に甲子園初アーチ。夏の甲子園の1年生4番の本塁打は83年の清原和博(PL学園)らに次ぐ史上3人目で、右打者では清原以来39年ぶりの記録を打ち立て「本当に楽しい場所。余裕が出てきて成長した」と自信を深めた。「センター返し」を打撃の信条とする大器は「センター返しをしようとすると手首を柔らかく使える。チャンスで打てるようにやっていきたい」と力強く言った。

 選抜出場を当確とするためにはあす13日の決勝での勝利が絶対条件。「本当に選抜に行きたいので次の試合も一戦必勝で絶対に勝ちたいです」。頼れる主砲は言葉に力を込めた。(柳内 遼平)


 ◇片井 海斗(かたい・かいと)2006年(平18)8月31日生まれ、埼玉県朝霞市出身の16歳。朝霞六小1年時に朝霞フレンズで野球を始める。朝霞三中では狭山西武ボーイズに所属。高校は「一番最初に声を掛けてくれた」と二松学舎大付に進学し、1年春の関東大会からベンチ入り。憧れの選手は巨人・岡本和。50メートル走6秒6。1メートル75、97キロ。右投げ右打ち。

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