日本ハム・宮西 2億円減でサイン 愛息の言葉が現役続行後押し「大きかった」

[ 2022年11月12日 06:00 ]

契約更改交渉を終え、会見を行う日本ハム・宮西
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 日本ハムの宮西尚生投手(37)が11日、札幌市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸2億5000万円から減額制限(1億円超は40%)をはるかに超える80%ダウンの年俸5000万円プラス出来高(金額は推定)で単年契約を結んだ。移籍を伴わない2億円の減俸は球団史上最大。減額率は、球団史上最大だった20年金子の81%(1億8000万円から3500万円)に肉薄した。

 宮西は「落ちる時は一気やな。初めての経験だったのでショックはあった」と心境を打ち明けた後、「この世界は結果が出ないとそういうもの。自分が逆に経営者の立場なら、こんなやつにこんなに払えないよと思う」とさばさばと言った。

 2年契約最終年の今季は24試合の登板に終わり、入団1年目から昨季まで続けていた50試合登板が14年でストップ。代名詞のホールドは自己ワーストの7にとどまり、0勝3敗1セーブ、防御率5・66だった。勤続疲労で左肘は限界を迎えており、一時は「引退」の二文字も頭をよぎったという。「やめるべきなのか、どうするのか。それこそ、契約してもらえるのか…というのが正直、僕の中ではあった」と振り返る。

 現役続行を後押ししたのは愛息の一言だった。「息子が“新球場で野球をしている姿が見たい”と、ぽろっと言った」。その言葉に一念発起。シーズン中の9月6日に左肘のクリーニング手術を受け、来季復活を目指してリハビリを続けてきた。「気を使ったのか分からないが、そういう言葉があったのは大きかった」と話す。

 術後3週間でネットスローを始め、今は投球練習も再開している。前人未到の通算400ホールドまで残り20。「新球場で400ホールドを達成したい。僕は(新庄監督が1年間実施した)トライアウトに離脱した身なので簡単にチャンスはもらえないが、今まで以上の結果を出して信頼を取り戻したい」。チーム最年長となる来季、鉄腕として必ず返り咲く。(清藤 駿太)

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2022年11月12日のニュース