巨人 ドラ1・浅野にイチロー背番号「51」用意 昨年12月に指導受けた“憧れ”の人

[ 2022年11月12日 03:00 ]

背番号が「51」になることが分かった巨人ドラフト1位の高松商・浅野
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 巨人がドラフト1位で指名した高松商(香川)の浅野翔吾外野手(17)に背番号「51」を用意することが11日、分かった。昨年12月に直接指導を受けたマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(49)の代名詞でもある番号で、今後に予定される入団交渉の場で提示する方針。将来のチームを担うスター候補生に誠意を尽くす。

 将来の中心選手に向けた期待を球団が背番号に込める。マリナーズなどで活躍し、日米通算4367安打を放ったイチロー氏の代名詞だった「51」。球団初の高校生外野手のドラフト1位・浅野に、その番号を用意する。

 浅野にとってイチロー氏は憧れの存在だ。昨年12月にイチロー氏は高松商の選手たちを指導。浅野はキャッチボール相手になり現役引退後も衰えないイチロー氏の強肩や打撃練習に目を丸くした。「全力の中で形をつくる」というアドバイスをもらうと、チーム全員で実践。夏の甲子園で浅野は3本塁打をマークし、取り組んできた成果を出した。

 阪神との競合の末に巨人入りが決まった10月20日のドラフト会議では「イチローさんに教えてもらった全力の中で形をつくるというのをしてから、打席の中でも自信を持って入ることができた。感謝の気持ちを伝えたい」と感謝していた。1メートル71ながら高校通算68本塁打。高校日本代表にも選出された。日米で活躍した恩師のように、子供らに影響を与えられる選手が目標だ。

 分離ドラフトを除き巨人が1位指名の競合で交渉権を得たのは原辰徳、松井秀喜、大田泰示に続き4人目。今年は会議前に12球団最速で1位指名を公表し、当たりクジを引き当てた原監督も「ジャイアンツを担う選手になってくれると思っている。岡本和、そして浅野のクリーンアップが打てるようになれば一番いい」と思い描くほど素質にほれ込む。

 イチロー氏の番号として定着した「51」は有望株の番号として日本球界で浸透しており、広島時代の鈴木(現カブス)や強化試合で侍ジャパン入りした阪神・中野ら主力に成長する例は多い。球団は今後予定される入団交渉の席で背番号51を提示する方針。イチロー氏から影響を受け、プロ入りも果たした浅野にふさわしい番号だ。

 ◇浅野 翔吾(あさの・しょうご)2004年(平16)11月24日生まれ、香川県出身の17歳。屋島小3年から野球を始め、屋島中では軟式野球部に所属して3年時に全国大会8強。高松商では1年夏の県独自大会から出場し、2、3年夏に甲子園出場。今秋は高校日本代表にも選出され、U18W杯のメキシコ戦で高校通算68号を放った。50メートル5秒9、遠投110メートル。1メートル71、86キロ。右投げ右打ち。

 ≪今季までは八百板が「51」≫巨人の背番号51はかつては門奈哲寛、趙成ミン(チョ・ソンミン)ら投手がつけることが多かったが、イチローの活躍もあり近年は古城茂幸、横川史学、堂上剛裕、田中俊太ら野手が背負っている。21年から今季までは八百板卓丸がつけていたが、シーズン終了後に戦力外通告を受けた。

 ▽イチロー氏の高松商指導 昨年12月に2日間にわたって直接指導。同年夏の甲子園で敗退した際に長尾健司監督が「うちにも来てほしい」とラブコールを送り実現した。創部110年を超える伝統校での指導を終えたイチロー氏は「みんなレベルが高い。センスが良い。凄くいい雰囲気。応援したくなっちゃいました」とコメント。同氏のフリー打撃を見た長尾監督は「世界No.1のバッターですからね。1カ月分の練習をした感じです」と感激しきりだった。

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