【甲子園展望】福島敦彦氏 大阪桐蔭、春夏連覇へ死角なし 夏連覇狙う智弁和歌山も戦力充実

[ 2022年8月5日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権の組み合わせ
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 第104回全国高校野球選手権大会(甲子園)は、6日に開幕する。春夏の甲子園大会における「迫球甲子園」でおなじみの福島敦彦氏が、大会を展望した。

 大阪桐蔭は2年生左腕・前田君に3年生の川原君と別所君の両右腕を擁し大阪大会7試合でわずか1失点。選抜で11本塁打した打線は松尾君、丸山君、海老根君の中軸を中心に下位まで切れ目がなく、さらにパワーアップした印象。どこが倒すのか――が最大の焦点だが、現状で死角は見当たらず3度目の春夏連覇の可能性は高い。

 昨夏4強を独占した近畿勢は今夏も有力校がそろう。春季近畿大会で大阪桐蔭に公式戦で唯一の黒星をつけ、大会連覇を狙う智弁和歌山は初戦が第8日と遅いが、塩路君、武元君の両右腕に渡部君、岡西君と昨夏を知る投打の主力が健在で戦力充実。地方大会でエースがともに復調途上だった選抜準Vの近江と昨夏4強の京都国際は第2日までの登場で、上位を狙うにおいて日程的に恵まれた。選抜初戦敗退の天理も巻き返す力を持っている。

 組み合わせをみると愛工大名電VS星稜、海星VS日本文理、興南VS市船橋、明徳義塾VS九州国際大付と好カードが続出。なかでも、近江の山田君と選抜で大阪桐蔭を3点に抑えた鳴門の左腕・冨田君の投げ合いは楽しみ。激戦区の兵庫を制した初出場の社が、30度目出場の県岐阜商にどう挑むかも注目だ。日大三、横浜、仙台育英も投打の歯車がかみ合えば怖い存在となる。

 今夏もコロナ下での大会となるが、集団感染した4校に対する日程変更は主催者の温かみを感じた。夏の大会は暑さとの戦いだが、今夏は特に暑さを感じる。選手諸君には体調を整え、持てる力を存分に発揮して悔いのないゲームをすることを切に願う。すばらしい思い出をつくってほしい。(報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

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