西武・おかわり「一番恥ずかしい」サヨナラ弾 3カ月ぶり5号からの今季初2発 450本塁打にあと2

[ 2022年8月5日 05:11 ]

パ・リーグ   西武3-2オリックス ( 2022年8月4日    ベルーナD )

<西・オ>9回、サヨナラとなるソロを放った中村はホームベース付近でチームメートに出迎えられる(撮影・西海健太郎)
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 西武・中村剛也内野手(38)が4日、オリックス戦の9回にプロ5本目のサヨナラ本塁打となる左中間6号ソロを放った。4回に放った5月14日の楽天戦以来82日ぶりの先制5号2ランに続く、今季初の「おかわり」弾。全3打点を挙げる活躍でチームに3連勝と今季最多となる貯金9をもたらし、首位キープに貢献した。

 髪の毛にはすっかり白いものが増えた。中村は本塁手前でヘルメットを脱ぐと、控えめに歓喜の輪に飛び込んだ。熱狂するファンとはあまりにも対照的。プロ21年目、15日で39歳になるベテランは自他ともに認める照れ屋だ。

 「一番恥ずかしい。サヨナラっすよ。試合がそこで終わって、めっちゃ見られてるんですから…」

 9回1死。ワゲスパックの155キロ直球を完璧に捉える。「凄くいい感触で打球が飛んでいった。ドンピシャ」と左中間へのサヨナラ6号ソロ。4回無死一塁からは82日ぶりの一発となる先制5号2ランを放ち、ベンチで同期入団の盟友・栗山に「よう打った!」と声をかけられた。今季初の「おかわり」でチームの全得点を叩き出す活躍。サヨナラ弾は19年7月19日のオリックス戦以来3年ぶりだった。

 「今シーズンはずっと悩んでいる。思い通りの打撃ができなくて…」。打率1割台と不振が長引き、右手親指痛で1カ月近く離脱もした。不惑を前に悩み、惑い、そして基本に立ち返った。「しっかり下半身を使って打とう」。最大の特長は力感のないスイング。それは下半身が安定すればこそ可能だ。「足の使い方をおろそかにしていた。気付けて良かった」。復活を印象づける2発だった。

 前日、所属する野球チームとともに三男が本拠地を訪問。長男、次男も父親の背中を見て野球をプレーしている。試合も観戦した家族の前では無安打に終わったが、大飛球3本で両手には確かな感触が残った。「練習では自分が一番ヘタだと思って、試合では自分が一番うまいと思ってプレーする」――。子供たちへの教えを自ら実践。現役最多本塁打を448に伸ばした。

 5月29日のDeNA戦で栗山がサヨナラ弾を放ったのに続き、今季2度目のサヨナラ勝ち。過去13人しかいない通算450本塁打には、あと2本だ。(鈴木 勝巳)

 《球団最多タイ通算5本目》中村(西)が9回にサヨナラ本塁打。自身サヨナラ弾は19年7月19日オリックス戦で放って以来通算5本目で、過去4本はいずれも延長戦。9回にマークしたのは初めてだ。また、チームで5本は中西太、清原和博と並ぶ3人目の球団タイ記録になった。この日は4回にも本塁打。マルチ本塁打は昨年10月14日の日本ハム戦以来通算43度目になるが、サヨナラ本塁打を含んだのは初めて。ちなみに1試合3本塁打以上は意外にも一度もない。これで通算450本塁打にはあと2本。通算400号はサヨナラ弾で決めたが450号はどうか。

 ▼西武・辻監督 いやあ、うれしいです。見事な中村の本塁打。勢いがますます出るような勝ち方だと思う。今日のフリー打撃も非常に感じが良かったし、兆しはあった。ああいうのを見せられたら若い選手はかなわないと思う。

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