阪神の新守護神候補・ケラーに矢野監督及第点 落差大きいパワーカーブで1回1K零封

[ 2022年3月16日 05:30 ]

オープン戦   阪神3-3ソフトバンク ( 2022年3月15日    ペイペイD )

<ソ・神>梅野(左)とグータッチしてマウンドに向かうケラー
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 新守護神候補の阪神・ケラーが、1回1Kデビューをした。西勇の後を受け、6回に来日初登板。中村晃に中前打を打たれたものの、2死から上林を空振り三振に切って取った。決め球は武器のカーブだ。

 「今日はカーブが特に良かったので多い配球になった」

 三振を奪う前にも、18年に22本塁打を放ったスラッガーに対して、初球からカーブを2球続けて投げて追い込んだ。12日のシート打撃で女房役を務めた坂本は、120キロ台のその球種について、「(落差が)大きい特徴がある。強いカーブ」と表現していた。米大リーグ・パイレーツで昨季、33回1/3で36三振を奪う要因になった得意球が、日本でも生命線になることは確実。矢野監督も「空振りもカウントも取れていた。打者の反応を見ても空振りも取れていたので、それなりだったかなと思う」と及第点を与えた。

 新天地で念願の登板を果たした右腕は、「早く実戦で投げたかった。それがやっとできて良かった。投げた感じは悪くなかったと思う」と胸をなで下ろした。新型コロナウイルスの水際対策の影響で、6日夜に来日したばかり。万全ではないのは明らかで、最速159キロが前評判の直球は148キロにとどまった。リチャードは左飛ながら、速球を芯で捉えられた。試合中には、三塁の大山からアドバイスを受ける場面があった。審判からの注意を伝えられた。

 「審判に指をなめないと言われたので、慣れないといけない」

 次戦は18日からのオリックス3連戦(京セラドーム)になる予定。2年連続セーブ王のスアレスが務めた抑えを担うには、球速アップが不可欠なのは明白だ。だが、幸い、他人丼、カツ丼に舌鼓を打ち、納豆も「食べられる」と語るなど、異国に溶け込もうとする姿勢は心強い。まだまだ調子は上がるはずだ。(倉世古 洋平)

 ◇カイル・ケラー 1993年4月28日生まれ、米ルイジアナ州出身の28歳。サウスイースタンルイジアナ大から2015年ドラフト18巡目(全体536番目)でマーリンズと契約。19年にメジャーデビュー。20年のエンゼルスを経て昨季はパイレーツでプレー。メジャー通算44試合で1勝1敗、防御率5・83。1メートル93、86キロ。右投げ右打ち。

 【阪神・ケラー 実戦デビューまでの歩み】
 ★21年12月18日 阪神が獲得を発表。年俸1億2500万円(推定)、背番号「42」。
 ★22年3月6日 米国から来日し、隔離期間に入る。
 ★同10日 ウィルカーソンとともに甲子園の全体練習に合流。入団会見では「(愛称は)KKと呼んで」。開幕1軍入りを目指す。
 ★同12日 初のシート打撃登板。打者8人に33球。安打性3本許すも、決め球「スラッター」で江越を空振り三振に仕留める。

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