“スキッパー”西岡監督 自らの失敗談語り選手と一緒に成長「失敗は次のステップにポジティブにいける」

[ 2022年3月16日 05:30 ]

プロ野球独立リーグ・ヤマエ久野九州アジアリーグ19日開幕

福岡北九州フェニックス・西岡剛選手兼任監督
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 プロ野球独立リーグのヤマエ久野九州アジアリーグが19日に開幕する。今季から新規参入した福岡北九州フェニックス・西岡剛兼任監督(37)と、昨季優勝の火の国サラマンダーズ・馬原孝浩監督(40)が開幕カードで対戦。ともに今季から新たに就任した両監督にチームづくりに懸ける思いを聞いた。(取材・構成 川手 達矢、田中 健人)

 母が福岡県大牟田市出身で父方の祖父は北九州市内に眠っており、福岡には縁がある。新たなチャレンジの地に北九州を選んだ西岡監督は語る。

 「トライアウトで集めた選手ばかりだけど、まだまだ伸びしろのある選手ばかり。熊本、大分というチームに挑んでいく中で、どうなるのかなというふうには感じています」

 昨季まではBC栃木で3年間プレーした経験は自身の中でも大きい。3月1日は長崎・平戸でのキャンプ初日だったが、前日の雨予報を知り、自ら同市職員と掛け合って体育館を用意。「こういう問題が起こることも想定している。栃木の3年間で培ったことが凄く大きい」と話す。

 チームの大半の選手は20代前半だ。そんな若い選手と対話する際に大事にしていることは失敗談。自身も09年に打率・260と3割を切ったが、翌10年に206安打を放ち、首位打者も獲得。それでも「10年は賞だったりそういうものは得られたんですけど、振り返ると(得たものは)あんまりない。失敗は次のステップにポジティブにいける」と経験を踏まえて伝えている。

 昨年の就任会見では報道陣に「監督ではなく“スキッパー”と呼んでほしい」と呼び掛けた。日本では聞き慣れないが、大リーグでは「かじ取り」という意味で監督が呼ばれるケースもある。その真意について「独立リーグの監督は、NPBの監督をイメージして目指してはいけないと思う。一人で2役も3役もしないといけない。一緒に考えて取り組んでいく。考えさせることで選手の性格も見えてくる」。時にノックを打ち、時に一緒にランニングをする。NPBを目指す選手と同じ目線に立ち、「西岡流」の監督を目指す。

 《現役時代に天敵だった馬原監督に「聞きにいきたい」》西岡兼任監督は「最高級のピッチャー。投手として大嫌いでした」と現役時代に苦しめられた馬原監督の印象を口にした。守護神として対戦し「真っすぐ、フォーク。(最終回に馬原が)出てきたら打てないなと思っていた」。今季からは同一リーグの指揮官として会う機会も増えるが「試合前の練習では、思いっきり、いろんなことを聞きにいきたいと思っている。質問したいことはたくさんある」と敵味方の枠を超え、先輩から吸収するつもりだ。

 ◇西岡 剛(にしおか・つよし)1984年(昭59)7月27日生まれ、大阪府出身の37歳。大阪桐蔭から02年ドラフト1巡目でロッテ入り。05年から2年連続で盗塁王。10年は首位打者と最多安打のタイトルを獲得し、日本一に貢献。同年オフにポスティングシステムでツインズへ移籍。13年に阪神で国内復帰し、18年まで在籍。19年からBC栃木でプレー。06年WBC、08年北京五輪日本代表。1メートル82、81キロ。右投げ両打ち。

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