火の国・馬原監督「育成プラス勝ちに行く」、リーグ2連覇と2年連続ドラフト指名選手の輩出へ意欲

プロ野球独立リーグ・ヤマエ久野九州アジアリーグ19日開幕

就任会見で意気込みを語る火の国の馬原監督
Photo By スポニチ

　プロ野球独立リーグのヤマエ久野九州アジアリーグが19日に開幕する。今季から新規参入した福岡北九州フェニックス・西岡剛兼任監督（37）と、昨季優勝の火の国サラマンダーズ・馬原孝浩監督（40）が開幕カードで対戦。ともに今季から新たに就任した両監督にチームづくりに懸ける思いを聞いた。（取材・構成　川手　達矢、田中　健人）

　昨季務めたピッチングGM（ゼネラルマネジャー）から監督へ。指揮官として2連覇、2年連続ドラフト指名選手の輩出へ馬原監督は展望を語る。

　「NPBに行ける選手を育成する。プラス、勝ちにいくというところが難しい。ただそれが僕の目標、目指す野球。力が上がっていけば自然とそういう野球になると思う。まずは基礎の徹底で隙を見せない野球をしたい」

　監督といえど、NPBとは状況が違う。練習でのノックも打ち、打撃指導も行う。さらには引退後に取得した柔道整復師と鍼灸（しんきゅう）師の国家資格と知識を生かし、選手のケアを自ら行う。「本当に一人5役6役で。選手に電気あてながらノックを打ったりしますし、ほとんど休んでる暇はないですね」と笑うが、それこそが求めていた指導者像だ。

　NPB時代はケガに苦しんだ時期もあった。その中で「指導者で体を診られるという人がいなかった。じゃあ自分が、そうなりたいなと。体のケアもして、投手陣も全部見てという監督は今までいなかったと思う」と指導者の新しい形を体現している。さらに、地元・熊本での2シーズン目。「野球界への恩返しというものはある。それとファンの方々、地域に密着していきたい」と見据える。

　それでも、やはり視線を向けるのはNPB。昨年は中日から左腕・石森がドラフト3位指名を受け入団した。今年も個人の能力アップが基本といい「シーズンは8カ月しかないが、どれだけ成長させられるか、光る物を見せられるか。そこを見極めるのが僕の仕事」と力を込めた。

　《勝負強かった西岡監督と激突「切磋琢磨しながら」》馬原監督は現役時代の西岡兼任監督を「ロッテ時代には何度も対戦があります。スマートな選手という印象ですね」と振り返った。通算対戦成績は20打数1安打、0本塁打と封じ込めているが「（チームの）ミーティングの中でも（西岡は）勝負強いというのはありましたね」と明かす。ともに監督として同一リーグで再会。「切磋琢磨（せっさたくま）しながら、王者として連覇できるようにと考えてます」と話した。

　◇馬原　孝浩（まはら・たかひろ）1981年（昭56）12月8日生まれ、熊本県出身の40歳。熊本市立高（現必由館高）から九州共立大を経て、03年のドラフト自由獲得枠でダイエー（現ソフトバンク）入団。06、09年にWBC日本代表。07年に最多セーブ投手。13年に寺原のFA移籍に伴う人的補償でオリックス移籍。15年に現役引退。通算385試合、23勝31敗182セーブ47ホールド、防御率2.83。右投げ右打ち。