カブスと基本合意の鈴木誠也にとっての大谷翔平とは 同じ94年生まれ、「世界基準」への思い

[ 2022年3月16日 22:53 ]

カブスと基本合意したことが分かった鈴木誠也
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 ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた広島の鈴木誠也外野手(27)が、カブスと契約合意に達したと15日(日本時間16日)、複数の米メディアが報じた。

 鈴木誠也が同学年の大谷翔平と初めて会ったのは、お互いプロ1年目だった13年の秋、宮崎フェニックス・リーグ。そして一緒に戦ったのは、大谷が「ちゃんとしゃべったのはあの時が初めて」と語った3年後の16年11月に行われた侍ジャパンの強化試合(メキシコ、オランダ)だった。

 鈴木誠は「常に野球のことばっかり考えてるんで凄いと思った」と振り返る。大谷が筋力トレーニングをする姿も見た。ユニホームを着ている時のスリムな姿からは想像もできない筋骨隆々な肉体美に「やることやっての結果なんだと。サプリメントなども考えて摂っているから、こうなるんだと思った」。刺激を受けたのは言うまでもなかった。同年には、日本ハムが広島を破った日本シリーズでも対戦していた。

 同学年の他競技の選手には、フィギュアスケートの羽生結弦や競泳の荻野公介らがいる。17年に鈴木誠とスポニチ紙上で対談した大谷は「僕らは日本でしか戦っていない。公介も羽生君も世界基準。そういう意味ではまだまだ」と言っていた。

 その大谷は18年に海を渡り、メジャー4年目を迎えた昨季は二刀流プレーヤーとして飛躍を遂げた。打っては46本塁打を放ち、投げても9勝を挙げてア・リーグMVPに輝いた。「世界基準」どころか、「世界最高基準」になった。そのオフ、鈴木誠はメジャー挑戦を表明した。世界的なスーパースターになった大谷について「1年間、ケガなくプレーしたことが信じられない。時差や長距離移動がある中で、野手の練習と投手として必要なことを全てやっている。凄い。もし、(メジャーで)対戦できればバットに当てたい。日本で対戦した時はダメだったので」と尊敬の念を込め、そう言った。

 大谷もメジャーでの再会を心待ちにしている。「おそらく、今のプロ野球では、ずぬけた打者。(メジャーで)対戦する機会があれば楽しみ」。お互いを尊敬し、常に高みを目指す姿勢も似ている。そんな2人には、意外な共通点もある。流行語大賞だ。鈴木誠が16年に「神ってる」で年間大賞に輝けば、昨年は大谷が「リアル二刀流/ショータイム」で年間大賞を受賞した。

 新労使協定の締結により、迎える2022年シーズン。再び二刀流で旋風を巻き起こす大谷に対し、鈴木誠はバットでメジャーに新風を吹き込むだろう。

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