ドラフト「隠し玉」福岡大・大曲 準硬式投手史上最高の素材 最速154キロ右腕は西武・松本航タイプ

[ 2020年10月16日 05:30 ]

ドラフト「隠し玉」 ハンター菊地選手の発掘ナイン

福岡大の準硬式野球部で最速154キロを誇る大曲
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 【福岡大準硬式・大曲錬投手 22歳】えっ、硬式じゃないの?と、意外に感じた読者も多いことでしょう。そう、この最速154キロ右腕は準硬式野球部の選手なのです。

 大曲は福岡・西日本短大付で2~3番手の控え投手でした。「卒業後は就職しようと思っていた」と振り返りますが、周囲の勧めもあり福岡大の準硬式野球部に入部。高校時代のサイドスローからオーバースローにフォームを矯正したところ、才能が開花しました。

 7月で準硬式野球部での活動を終え、現在はNPBを本気で目指すために福岡大の硬式野球部の練習に参加中。私が取材した日は、硬式のベストメンバー相手にシート打撃に登板。バックネット裏の10人近いスカウト陣を前にして、打者9人を相手に被安打0、奪三振3、与四球1という素晴らしい投球を披露しました。中でも素晴らしかったのは150キロ近い直球。はっきり言って衝撃を受けました。横から見ると、球がホップして見えるような軌道。まさに“上質の直球”だったからです。

 投手としてのタイプは松本航(西武)に近いでしょうか。体重移動がしっかりできるフォーム、打者を押し込める速球は通じるものを感じます。あとは変化球の精度が課題になります。
 なお、大曲の実家は柳川市で海苔(のり)専門店を営んでいるそうです。有明海の栄養をたっぷり吸った海苔は最高においしいと評判で、大曲のオススメは「塩海苔」。「塩海苔だけでご飯が何杯でも食べられる」とのことです。

 8日現在で10球団から調査書が届いているそうですが、私はひいき目抜きに「ドラフト上位指名があってもおかしくない」と見ています。“準硬式野球史上最高の素材”と言ってもいい大曲錬。その名前を覚えてドラフト会議を迎えましょう!(フリーライター)

 ◆大曲 錬(おおまがり・れん)1998年(平10)5月21日生まれ、福岡県柳川市出身の22歳。西日本短大付1年秋に内野手としてベンチ入り。2年秋から投手。福岡大・準硬式野球部では1年春からエース。直球の最速は154キロ。1メートル79、74キロ。右投げ右打ち。

 ◆菊地選手(きくちせんしゅ)1982年(昭57)生まれ。本名・菊地高弘。雑誌「野球小僧」「野球太郎」の編集部員を経て、2015年4月からフリーライターに。ドラフト候補の取材をメインに活動し、ツイッター上で「大谷翔平」とツイートした最初の人物(2010年10月8日)。野球部員の生態を分析する「野球部研究家」としても活動しつつ、さまざまな媒体で選手視点からの記事を寄稿している。著書にあるある本の元祖「野球部あるある」(集英社)などがある。ツイッターアカウント:@kikuchiplayer

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