阪神・大山 4番復帰で岡本に並ぶ24号弾「みなさんは数を言いますけど…」

[ 2020年10月6日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6―1巨人 ( 2020年10月5日    甲子園 )

<神・巨>5回2死一塁、大山は中越えに勝ち越しの24号2点本塁打を放つ(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 阪神・大山悠輔内野手(25)が5日の巨人戦でリーグトップの巨人・岡本に並ぶ決勝の24号2ランを放った。8月19日以来、47日ぶりの4番に座り、同点の5回2死一塁から桜井の高め直球をバックスクリーンに運んだ。サンズ、ボーアの両助っ人が欠場し今季初めて「国産打線」で臨んだ一戦で最大級の働きを見せ、連敗ストップ。逆転での本塁打キングが現実味を帯びてきた。

 見とれるような、これぞ4番の一撃だった。きれいな放物線を描いた打球は吸い込まれるようにバックスクリーンへ。大山が宿敵を沈める決勝2ランで、本塁打王争いでリーグトップを行く巨人・岡本を再び、捉えた。

 「甘いボールだったので自分のタイミングで振り抜けたことがよかったし、一発で仕留められたのはよかった。同点だったし、何とか勝ち越したいというのがあった。チームにとっては大きかったかなと思う」

 この日、サンズとボーアの両助っ人が先発から外れた。8月19日巨人戦以来の4番復帰。今季初となった「国産打線」の核として今まで以上に重圧を感じる中での一発だけに価値が大きい。4回先頭では左前打し7回無死一塁でも堀岡の初球150キロ直球を左前打。9月29日の中日戦以来の猛打賞も記録した。

 「みなさんは(本塁打の)数を言いますけど、目の前の試合でどうだってところが一番重要だと思ってるし、終わったときに、どうだったかというところなので。(今日は)勝ち越しのホームランってところが自分の中では一番大きく思ってます」

 開幕当初と比較にならない、充実した表情は自信の表れのようにも感じる。今季は春季キャンプからマルテと三塁争いを展開。キャンプでも練習を終え、球場を出るのはいつも最後だった。「やることはたくさんあるので、現状では満足していられない」。真っ暗になるまでレベルアップに力を注いできた成果がシーズン終盤になって表れている。

 矢野監督も賛辞を惜しまない。「ホームラン打ってくれたらいいなというところで、本当にそのように打ってくれた」。続けて「ホームランキングというタイトル争いもできるし、こういう場面でどんどんホームラン、打点をあげてほしい」と、さらなる活躍を求めた。

 首位・巨人とのゲーム差は12・5あり逆転優勝は絶望的な状況だが、巨人の4番を逆転しての本塁打キングの可能性は十分ある。残りは29試合。宿敵に勝つ――。それが大山の、猛虎の4番の使命となる。
(長谷川 凡記)

 ○…大山(神)が5回、中越えに24号2ラン。本塁打タイトルを争う岡本(巨)に9月21日以来14日ぶりに追いついた。甲子園では自身初のシーズン10本目。サンズの10本に続く今季チーム2人目の本拠地2桁弾で、日本人選手では09年の金本知憲13本以来11年ぶり。日本人右打者では05年今岡誠の16本以来15年ぶり。シーズン2人は06年のシーツ12本、金本10本以来14年ぶりになる。

続きを表示

2020年10月6日のニュース