ドラフト「隠し玉」 和歌山東・玉置 伸びしろ無限大!DeNA国吉タイプ 公式登板数0の長身右腕

[ 2020年10月6日 07:00 ]

フリーライター・菊池選手 厳選の隠し玉紹介

公式戦登板数0も伸びしろたっぷりの和歌山東・玉置
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 今年のドラフトは、この選手にも注目――。「10・26」運命の日を待ち焦がれているのは、上位指名候補選手ばかりではない。中央球界では無名ながら、その素質と将来性でNPB入りを狙える「金の卵」が全国にはまだ多く存在する。ドラフトまで3週間。フリーライターの菊地選手(38)が全国各地を駆け回り“発掘”した「隠し玉」を紹介していく。

 【和歌山東・玉置隼翔投手、18歳】知っている野球ファンはごく一部だと思いますが、玉置は和歌山県の公立校・和歌山東に在籍する1メートル88、79キロの長身右腕です。

 「隼(はやぶさ)が飛翔する」と書いて「はやと」と読むのですが、現段階ではまだ飛ぶ前の隼です。なにしろ、公式戦で1試合も登板したことがないのですから。なぜ公式戦で1回も投げていないのか。

 「夏の大会前の練習試合で肘のじん帯を痛めてしまって、出られなくなりました。凄く状態が上がっていたんですけど、変化球を投げたときに“パチン”と切れた感じがして、それからまともに投げられなくなりました」と玉置は振り返ります。2年秋から本格的に投手に転向して今年に入って急成長。プロ7球団のスカウトが視察に来るほどの有望株に成長したタイミングで、肘を痛めてしまいました。

 プロでいえば、DeNA・国吉に近いタイプ。国吉も1メートル96と長身で、高校時代は体が仕上がりきらず控え投手でした。プロでその豊かな才能を開花させ、160キロを超える直球を投げ込むまでになっています。この成長曲線を目指してもらいたいものです。

 そんな玉置ですが、高校ではバレーボール部に入ろうとしていた過去がありました。中学で野球に見切りをつけ、高校から長身を生かしてバレーボールに転向しようと考えていたのです。ところが、高校受験に失敗するという悪夢を味わい、野球で声を掛けてもらっていた和歌山東へ進学。米原寿秀監督や南佳詞部長の指導で才能が花開き始めたのです。

 幸い肘の回復経過も良好ということで、プロ志望届を提出すればドラフト指名の可能性も十分。これから空高く舞い上がる隼、ぜひお見逃しなく!

 ◆玉置 隼翔(たまき・はやと)2002年(平14)7月15日生まれ、和歌山市出身の18歳。和歌山シニアから和歌山東へ進み、高校2年までは野手として「4番・一塁」などを務めた。1メートル88、79キロ。右投げ右打ち。

 ◆菊地選手(きくちせんしゅ)1982年(昭57)生まれ。本名・菊地高弘。雑誌「野球小僧」「野球太郎」の編集部員を経て、2015年4月からフリーライターに。ドラフト候補の取材をメインに活動し、ツイッター上で「大谷翔平」とツイートした最初の人物(2010年10月8日)。野球部員の生態を分析する「野球部研究家」としても活動しつつ、さまざまな媒体で選手視点からの記事を寄稿している。著書にあるある本の元祖「野球部あるある」(集英社)などがある。ツイッターアカウント:@kikuchiplayer

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