打者は「目」から衰える 新庄剛志氏は克服できるか

[ 2020年10月6日 11:00 ]

新庄剛志氏
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 特に打者は「目」から衰える。現役を引退した選手からそう聞いたことがある。48歳。NPBでの現役復帰を目指す元日本ハムの新庄剛志氏の場合、どうだろうか。

 先日、自身がメインキャラクター契約を結んだ企業の記者発表会で新庄氏を取材する機会があった。底抜けの明るさとショーマンシップは相変わらず。「一生、小学2年生なんで。気持ちが大事。気持ちが変われば顔もスタイルも変わる」「まあ、整形もしたんですけど。(費用は)200万円ぐらい」「ちゃらんぽらんとしてるけど僕、頭はいいんですよ」「毎日がクリスマス、正月ですから」。サービス精神たっぷりに話して何度も笑いを誘っていた。

 肝心の野球にも、真剣に向き合っていると感じた。現在は毎日4~5時間の練習。バッティングは「よく落合(博満)さんがやっていた練習法」と、山なりのボールを打ってフォーム固めをしているという。同時に目を慣れさせているのだろう。「チーム新庄」のメンバーには145キロ前後を投げる投手もいるといい、ここから徐々にフリー打撃の球速を上げていくという。

 06年に日本ハムで現役を引退し、ブランクは14年。すらりとしたスタイルは現役時代と変わらない。ゴールデングラブ賞を10度獲得した華麗な外野守備、そして04年の球宴でホームスチールを決めた走塁面は十分に通用するかもしれない。問題は打撃。投手の投げたボールを目で捉え、脳に信号を送ってスイングする。年齢とともに視力は衰える。動体視力ともなればなおさらだろう。この点を新庄氏は克服できるか。

 トライアウトは12月上旬。「楽しく、笑いながら、真剣にやっている姿を見てもらいたい」。新庄氏は同時に、世の中のファンに「目標を持つのはいいこと。何歳からでもやる。勇気を持ってやってほしいと心から思います」と熱いメッセージを送った。「SHINJO」の挑戦の結末がどうなるか。何かを起こしてくれそうな気がしてならない。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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2020年10月6日のニュース