39歳コンビ、井端&由伸 魅せた!熟練の技で藤浪から決勝点

[ 2014年8月15日 05:30 ]

<巨・神>4回1死満塁、井端は勝ち越しの中犠飛を放つ。投手・藤浪

セ・リーグ 巨人4-1阪神

(8月14日 東京D)
 39歳コンビの熟練の技がさえた。首位・巨人は14日、阪神に競り勝ち、首位攻防戦に2勝1敗と勝ち越し。ゲーム差を2・5に広げた。同点の4回に高橋由伸外野手(39)がヒットエンドランを決めて好機を拡大すると、井端弘和内野手(39)が得意の右打ちで決勝の中犠飛。デビューから8月は無傷の5連勝中だった阪神・藤浪晋太郎投手(20)に初黒星をつけた。

 流し打ちと引っ張り。状況に応じて瞬時に何をすべきか判断できる。井端と高橋由。39歳のチーム最年長コンビの熟練の技から、4回の決勝点が生まれた。

 1死満塁。井端は藤浪の投じたカウント2ボールからの151キロ速球を引っ張ったが、三塁線への痛烈なファウル。「決めなければいけないところで力が入り、タイミングが1、2で打つように早くなってしまっていた」。ここで失敗を顔に出さず頭を切り替えた。

 4球目。「速球を押し込み気味にいきながら、スライダーにも対応しようと。外角に意識を少し置いた」。その外角高め速球をタイミングを少し遅らせながら、右中間へ中犠飛を運び「大事に反対方向へ打ち返すことができた」と振り返った。

 決勝点を生む課程には高橋由の技術があった。1死一塁、カウント2ボールで、サインはヒットエンドラン。外角低めの厳しい球を、左膝を地面に着けるほど沈み、バットのヘッドをかぶせる形で強引に引っ張った。打球は一、二塁間を抜けて一、三塁に。藤浪と初対戦だった高橋由は「(膝を着くほどの)ボールでもなかったかもしれないけどね。あっちに飛んでくれて良かった」と話したが、原監督も「大きな一球への集中力だった」と評した。藤浪から放った安打はたった3本。ベテラン2人の工夫と対応力で、プロ2年目右腕に8月初黒星をつけた。

 開幕当初は慣れない代打や途中出場が2人の役割だった。コンディション維持から、打撃の狙いや結果についても意見交換してきた。8月、井端は片岡の打撃不振による2軍降格で、高橋由は亀井、アンダーソンらの故障離脱で、先発に欠かせなくなった。「最近出させてもらって、やっとらしい打撃、動きになってきた」と井端は話す。2人の存在は優勝争いの中で確実に増している。

 首位攻防3連戦を2勝1敗と勝ち越し。原監督も「兆しはね。3連戦のような戦い方をすれば、まあまあ、いいと思います。それぞれがいい役割をしてつながった」と話した。勝敗を分けるのはわずかな差。それを知る者が巨人にはいる。

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