ソフトB松中 初球空振りで勝った!プレッシャーかけサヨナラ押し出し

[ 2014年8月15日 05:30 ]

<ソ・楽>10回1死満塁、サヨナラ四球を選び喜ぶ松中(奥)

パ・リーグ ソフトバンク4-3楽天

(8月14日 ヤフオクD)
 「顔」で勝った。ソフトバンクは14日、楽天戦で今季6度目のサヨナラ勝ちを収めた。3―3の延長10回、1死から柳田悠岐外野手(25)が右前打と二盗を足掛かりとして1死満塁のチャンスをつくり、最後は代打・松中信彦内野手(40)が押し出し四球を選んだ。現役唯一の3冠王の貫禄勝ちだ。前日13日に連勝が9でストップしたが、一日で強さが復活。15日からのオリックス3連戦(京セラドーム)に弾みをつけた。

 最後は元3冠王の貫禄勝ちだった。3―3の延長10回1死満塁だ。「代打・松中」のコールが告げられるとヤフオクドームにこの日一番の歓声が湧き起こった。楽天の7番手・菊池が3ボール1ストライクから投じた5球目、外角低め直球を悠然と見送り、押し出し四球でサヨナラ勝ち。40歳は一塁ベース上でジャンプして喜んだ。

 「初球から振れたのが良かった。でも、甘いボールだったから、あれを捉えたかった」

 外角高めの直球をフルスイングした初球は空振り。しかし、この「ストライクゾーンは振っていく」という決意が相手に強いプレッシャーをかけた。1ストライク後、4球連続で冷静にボールを見極めた松中は「ボール球は絶対に振らないと決めていた。代打は半分、心理戦」と語った。百戦錬磨の駆け引きで今季6度目のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

 09年7月10日の楽天9回戦(ヤフードーム)以来、5年ぶり12度目のサヨナラ打点。5本のサヨナラ本塁打も経験している松中は「チームメートがチャンスをつくってくれた。みんなが一生懸命頑張ってくれたので僕も仕事しなければね」と舞台を整えてくれた仲間に感謝した。延長10回は8回に同点打を放った柳田が1死後、右前打で出塁し、二盗を決めてチャンスを演出した。「10回の守備に就く時、左中間席のファンの方から“頼む!仕事してくれ”と言われたんです。その声のおかげです」と柳田。チーム一丸となって劇的勝利をつかんだ。

 秋山監督は「きのう(13日)は負けているからな」と連敗阻止にうなずいた。決勝打の活躍で涙のお立ち台となった10日の日本ハム戦(ヤフオクドーム)から4日後、またも存在感を示した松中は言った。「8月、9月に強いチームが優勝をする。今、うちは本当に強い」。15日からは2位・オリックスとの3連戦。ライバルを叩いて、ペナント争いから抜け出す。

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2014年8月15日のニュース