【フィギュア】鍵山優真 2大会連続銀メダル 悔しさよりも達成感 攻めの構成 ミスしても滑り切った

[ 2026年2月15日 02:00 ]

ミラノ・コルティナ冬季五輪第8日 フィギュアスケート男子フリー ( 2026年2月13日    ミラノ・アイススケートアリーナ )

銅メダルを獲得した鍵山優真(AP)
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 男子フリーが13日に行われ、ショートプログラム(SP)2位の鍵山優真(22=オリエンタルバイオ・中京大)が176・99点を出し、合計280・06点で2大会連続の銀メダルを獲得した。SP9位の佐藤駿(22=エームサービス・明大)は186・20点のフリー3位で、大逆転の銅メダル。この種目の日本勢のメダルは5大会連続で、3大会連続の複数人表彰台となった。絶対王者イリア・マリニン(21=米国)にミスが相次ぐ波乱の中、ミハイル・シャイドロフ(21=カザフスタン)が金メダルを獲得した。

 メダルを首にかけた鍵山は、心から笑うことができた。「自分のパフォーマンスに対して悔しさは残るが、戦い抜いたので素直に褒めてあげたい。うれしい限り」。4年間、苦しい日々を乗り越えた自分が誇らしかった。

 フリーは、開催国イタリアのオペラ「トゥーランドット」。きらびやかな新衣装で挑んだが、ミスが続いた。フリップを含め4回転3種4本と攻めの構成だったが、冒頭のサルコーで着氷が乱れ、フリップで転倒。後半のトーループでもバランスを崩した。それでも「絶対に最後まで諦めずに滑り切る」ことが信条。演技を終え、大きな拍手に満足感が湧いてきた。

 苦悩の旅路だった。北京五輪後、背中を追った羽生結弦さん、宇野昌磨さんが競技会のリンクを去った。新エースと目され、繊細な男は見えない重圧を背負い続けてきた。SNSでネガティブな言葉が目に入り、アプリを消したこともある。試合でうまくいかず、涙が枯れるまで泣いた夜もあった。周囲からの心配の声に笑ってごまかした。「自分じゃない自分をつくっていた」。焦りや不安で進むべき道を見失った。

 昨年3月、世界選手権は3位に後退。王者マリニンを意識し過ぎて高難度ジャンプばかり追い求めていた。「このままではいけない」。焦って必死にペンを走らせたノートには、ルッツなどの大技や高難度の構成ばかりが並んだ。それを見た父・正和コーチに「優真の武器はスケーティング技術と表現力。表現力で満点を取れるくらいの演技を目指そう」と諭され、われに返った。

 手にしたメダルの色は同じだが、若さと勢いで獲った前回とは意味が全く違う。「やりたいことは全部できた。集大成というか、自分の全部を出せた」。濃密な4年間が詰まった証だった。

 ◇鍵山 優真(かぎやま・ゆうま)2003年(平15)5月5日生まれ、横浜市出身の22歳。父の影響で5歳からスケートを始め、19年全日本ジュニア、20年ユース五輪金メダル。シニアでは世界選手権4度メダル獲得(21、22、24年銀、25年銅)。24年四大陸選手権優勝。24年から全日本選手権2連覇中。元世界選手権女王のカロリナ・コストナー・コーチからも表現面で指導を受けている。合計の自己記録は、310・05点。中京大4年。1メートル60。

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