【ジャンプ】沙羅から沙羅に手紙 4年前失格で涙した自分に伝えたい…あの時の自分へ――

[ 2026年2月12日 05:30 ]

<ミラノ・コルティナ五輪 スキージャンプ混合団体>銅メダルを獲得し笑顔の高梨沙羅(撮影・小海途 良幹)
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 ミラノ・コルティナ冬季五輪のノルディックスキー・ジャンプ混合団体(ヒルサイズ=HS107メートル)で銅メダルを獲得した高梨沙羅(29=クラレ)が、スポニチに「あの時の自分へ――」と題した手紙を公開した。(取材日2025年10月4日)

 今も、北京五輪の映像を見返すことはできていません。あの瞬間の記憶も、ほとんど残っていない。「なんてことをしてしまったんだろう」。その思いばかりが押し寄せ、一緒に戦ってくれたチームの皆さんと、顔を合わせることができませんでした。

 スロベニアの自宅に戻ってからは、部屋からほとんど出られない日が続きました。日本から急きょ来てくれた母と、伯母を含めた3人で過ごす日々。落ち込んでいい立場じゃないと分かっていながら、それでも体が動かなかった。身の回りのことも、全て任せてしまって。ただ静かに、寄り添ってくれました。家の外に出られるようになったのは、2週間後のことでした。

 五輪後、初めて試合に出たのは1カ月後。

 出場するかどうかも迷っていましたが、リレハンメルへ向かいました。最後まで決めきれないままでしたが、到着後に出場を決めました。あとは「飛べるよ」と強く自分に言い聞かせて。スタートゲートに立ちました。

 忘れられない言葉があります。日本に帰国し、山形・蔵王のジャンプ台で練習していた時のこと。下で見ていた、たぶん地元の方が、「飛んでいる姿を見ているだけで、元気がもらえます」と声をかけてくださいました。

 やめることで償えるのか。そう考えた時、それは逃げなんじゃないかと思った。競技を続けて、ジャンプ界のためにできることがあるなら、やらなければいけない。五輪での失敗は、五輪の舞台でしか返せない。そう思いながら、ここまで歩いてきました。

 本当にたくさんの方に見ていただき、声をかけていただいています。だからこそ、結果で恩返しがしたい。その思いだけを胸に、この4年間を過ごしてきました。

 あの時の自分に伝えます。今は、ジャンプが楽しいよ。

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