【バスケW杯】中原雄氏 「サイズ劣っても…」PG富樫&河村が“夜明け”の象徴

[ 2023年9月3日 05:26 ]

バスケットボール男子W杯順位決定リーグO組   日本80ー71カボベルデ ( 2023年9月2日    沖縄アリーナ )

喜びの抱擁をする富樫と渡辺雄(右)(AP)
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 【NBA解説者 中原雄の目】近年の世界大会で1勝もできなかった日本が3勝できたのは、ホーバス監督の手腕によるところが大きい。

 ホーバス監督が目指すバスケットボールはボールを速く運んでアップテンポな攻撃を展開し、3点シュートで得点を奪う。このスタイルを実現するために、サイズ、年齢、実績にこだわることなく選手選考したことが成功の一つの要因だ。

 その象徴的な選手は1メートル70前後のポイントガード(PG)の富樫と河村だろう。従来の日本は大型化にこだわり、PGには東京五輪で本来シューティング(SG)の1メートル92の田中大貴を起用し、比江島を挑戦させたこともあった。これまでなら小型選手1人は入れても2人は入れていない。守備でミスマッチが生まれるリスクよりも2人のスピードを生かすことを優先し、常にアップテンポなバスケットを追求した。特に22歳の河村は試合を重ねるごとに成長した印象だ。

 そして3点シュートの上手な選手を多く呼んでテストし、競争させた。そこで生き残った比江島や素早いリリースで遠くからも打てる富永が結果を出した。

 体を張って戦える選手もうまく組み合わせた。吉井は所属チームでは十分なプレータイムを得られていないが、大きな相手に対してもコンタクトをいとわない日本人には珍しいタイプ。川真田とともに守備面での貢献は大きかった。
 固定観念にとらわれない柔軟な発想の選手起用で、サイズで劣る日本が世界で勝つスタイルを示した意味は大きい。出場した選手たちは自信を得たし、このチームを見た若い選手にとっては目指すプレーが明確になった。 (B3福井ブローウィンズAC)

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