日本柔道の看板階級で波乱 高藤直寿が19年大会以来のメダルなし 柔道世界選手権

[ 2023年5月8日 01:47 ]

柔道世界選手権第1日 ( 2023年5月7日    カタール・ドーハ )

男子60キロ級3位決定戦で反則負けし、引き揚げる高藤直寿
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 男子60キロ級で東京五輪金メダルの高藤直寿(29=パーク24)は、3位決定戦でイ・ハリン(韓国)に延長戦で指導3による反則負けを喫し5位だった。日本男子で単独最多に躍り出る5度目の制覇が懸かっていた高藤だが、7度目の出場で19年以来2度目となるメダルなしに終わった。

 準決勝では21年大会銅メダルのフランシスコ・ガルリゴス(スペイン)と対戦。序盤にポイントで先行も追いつかれると、延長2分30秒過ぎ、左肘関節をロックされるような形のまま大腰で一本を奪われ、よもやの敗戦を喫した。3位決定戦では過去4戦全勝だった相手の攻撃に後手に回り、延長1分24秒、3つめの指導を受けて敗戦。「みんなが僕のことを研究していて、思ったよりもマークがきつかった。ずっと勝ち続けることは難しいと改めて感じた」と声を沈めた。

 準決勝、3位決定戦の相手ともに、戦前の予想では伏兵に位置づけられる選手に過ぎなかった。それでもパリ五輪を1年後に控える中、海外勢が一段も二段もギアを上げ、金メダリストの包囲網が形成されつつあることが浮き彫りとなる結果に。ケガで昨年12月のグランドスラム東京大会を欠場し、今回が昨年10月の世界選手権以来7カ月ぶりの実戦となった影響もなかったとは言えない。

 全日本柔道連盟は3月の理事会で改正強化システムを承認。1番手選手と2番手以下の選手に明確な差があると認められた場合、早ければ今年6月にも24年パリ五輪代表に内定する見通しとなった。高藤にも十分資格があったが、表彰台も逃す結果に終わり、最短での3度目の五輪代表内定は厳しい状況となった。

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