桐生が復活号砲10秒03!昨年難病公表も充電期間経て今季国内最高タイム「戻ってこられて良かった」

[ 2023年5月7日 04:40 ]

陸上 木南道孝記念第1日 ( 2023年5月6日    大阪・ヤンマースタジアム長居 )

男子100メートル予選で10秒03をマークした桐生祥秀(右)
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 男子100メートルの元日本記録保持者・桐生祥秀(27=日本生命)が100メートルの予選2組で今季国内最高となる10秒03を叩き出した。桐生が10秒0台をマークするのは、追い風参考を除くと20年8月以来、約3年ぶり。決勝は昨年の世界選手権代表・坂井隆一郎(25=大阪ガス)に敗れて2位だったが、完全復活近しを印象づけた。

 薫風と表現するにはやや強めの風が吹くこともある中、桐生がさっそうと駆け抜けた。追い風0・7メートルの予選2組で10秒03。20年8月の北麓スプリントで出した10秒04(追い風1・4メートル)を超え、20年以降の自己ベストをマークした。決勝は2位に敗れたが表情は柔らかかった。

 「今シーズンは10秒1台前半を狙おうと思っていた。それが10秒0台だったので。敗因は満足しちゃったこと。この大会のコンセプトは100点」

 予選は30メートル付近までに体ひとつ抜けだし、スムーズな加速で後続に0秒25差をつけて圧倒。場内から喝采を浴びた。「拍手を頂いたり(結果を見た)いろんな選手からLINEで連絡をもらったり。自分の可能性を諦めず、ここに戻ってこられて良かった」と振り返った。

 昨年6月の日本選手権を最後に休養し、同年9月には東洋大2年時に国指定の難病「潰瘍性大腸炎」と診断されたことも公表した。充電期間を設けたことで、今は前向きに競技へ打ち込めるという。「何のケガもなく走れるのは2、3年ぶりかな。9秒台、10秒0台の速い桐生を見せたい」と“ジェット桐生”完全復活を約束した。

 今季は6月の日本選手権や8月の世界選手権(ブダペスト)を目標にせず、秋までに24年パリ五輪の参加標準記録10秒00を狙う方針だった。だが、シーズン序盤の好タイムで目標修正の必要も出てきた。「夏前半の大きな舞台なので、日本選手権に合わせていきたい」。うれしい誤算。自信回復が完全復活の特効薬となりそうだ。

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