桃子 初メジャーVへ400戦目の引き出し「あがいても難しい状況変わらない。腹くくり」4打差3位浮上

[ 2023年5月7日 04:30 ]

女子ゴルフツアー ワールド・サロンパス・カップ第3日 ( 2023年5月6日    茨城県 茨城GC西C=6780ヤード、パー72 )

4番、ティーショットを放つ上田(撮影・西尾 大助)
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 8打差11位から出たツアー通算17勝の上田桃子(36=ZOZO)が3バーディー、3ボギーの72にまとめ、通算4オーバーの3位に浮上した。トップと4打差。54度目の国内メジャー挑戦で、悲願の初タイトルを目指す。吉田優利(23=エプソン)は76と苦しみながらも通算イーブンパーで単独首位をキープ。4日間大会で第3ラウンド終了時でのアンダーパーなしは、12年日本女子オープン以来25度目の記録となった。

 上田は腹をくくった。木々が大きく揺れる強風に、硬く締まったグリーン。「全英だと思おう」。イーブンで迎えた最終18番、第2打が木に当たって45ヤードを残した。それでも心に波は立てない。60度ウエッジを握り80センチに寄せてパーセーブ。価値あるイーブンパー72で逆転Vに望みをつないだ。

 「どうあがいても難しい状況は変わらない。腹をくくろうと。ボギーも受け入れながらのゲームの組み立て。その諦めがいい方向に出たのかな」

 21歳で賞金女王に輝き、ここまで17勝を積み上げた。しかし、メジャーは未勝利。オフにプロテスト合格を目指す後輩との合宿で気づかされた。自分で壁をつくってしまう必要はない、と。「自分がメジャーを勝つのが難しいと思うメンタルと似ている。どうするかと考えて、やっぱり腹をくくるしかないと」。54度目のメジャーは向き合い方を変えた。ピンチでも動じない、心の余裕が生まれた。

 プロアマ戦は元世界ランク1位の宮里藍さんと回った。大会中は毎日LINEをしており、「疲れをためないように」と連絡が来る。直接的なエールはない。「分かっているでしょ、という感じだと思う」。尊敬する先輩にも、背中を押してもらっている。

 今年3月には最終日に最大8打差を逆転されて涙した。今度は4打差を追う立場。「やるしかない、という状況は嫌いじゃない」と言った。今大会は国内プロ400試合目。「400試合もやってきているんだから、引き出しを使って戦えたら」。節目の大会で悲願のタイトルを加える。

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