山本草太 初の世界選手権で感謝の舞いを…3度の手術乗り越え“強くなった姿”魅せる

[ 2022年12月27日 04:40 ]

エキシビションで演技する山本(撮影・長久保 豊)
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 来年3月に開催されるフィギュアスケート世界選手権(さいたま市)の代表に決まった山本草太(22=中京大)が26日、全日本選手権のエキシビション「メダリストオンアイス」に出演した。3度の右くるぶし手術など試練を乗り越えてきた苦労人は観衆の前で華麗な舞いを披露。初出場となる3カ月後の大舞台に覚悟を持って臨む。

 感謝の思いを胸に、山本がエキシビションナンバー「Poeta」を舞った。全日本は5位にとどまったが、観衆の拍手や応援バナーなどに背中を押されてSP、フリーともに熱演。今季の実績が評価されて世界選手権代表に選ばれ「さらに強くなった自分を見せられるように頑張りたい」と活躍を誓った。

 16年2月のユース五輪で金メダルを獲得し、平昌五輪候補として注目を集めた。だが、同3月の世界ジュニア選手権(ハンガリー)に出発する当日、練習で右くるぶしを骨折。手術後も骨折と痛みの再発を繰り返し、同じ箇所に計3度もメスを入れた。一度は引退も頭をよぎりながら、17年9月の中部選手権でリンクに帰ってきた。

 右くるぶしには今も固定用のボルト3本が埋め込まれている。手術で取り除くことも可能だが、復帰に時間を要するため、現役中は取らないと決めている。「(ボルトが)折れたら引退です」。今年7月にプロに転向した羽生結弦さんに10歳の頃から憧れ、「これからもずっと背中を追い続ける」と語った22歳。自身も覚悟を持ってスケートと向き合い、GPファイナル2位など結果を残してきた。

 「全日本では良い演技をできなかったけど、悔いがないように練習していって、次の世界選手権で思い切って頑張りたい」

 世界王者を決める舞台は、4年ぶりの日本開催。苦労を乗り越えてきた「強さ」を示す。

 ◇山本 草太(やまもと・そうた)2000年(平12)1月10日生まれ、大阪府岸和田市出身の22歳。6歳でスケートを始め、中学1年の途中に名古屋へ転居。16~17年シーズンからシニアに転向。今年度から中京大に復学。1メートル73。血液型O。趣味はサウナ。

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