角界でまた暴行…背中にちゃんこ、角材で殴打のいじめ 悪質力士引退 伊勢ケ浜親方は2度目の辞任

[ 2022年12月27日 04:33 ]

伊勢ケ浜親方
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 大相撲の伊勢ケ浜部屋で2人の幕下以下の力士による暴行が26日、明らかになった。

 同日行われた臨時理事会でコンプライアンス委員会の処分意見が報告され、2人は別の幕下以下の力士に対し、今年4月下旬から8月上旬にかけて殴打などの暴行を加えたという。悪質だった1人はこの日、引退届を提出。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)も理事会前に理事職を辞任した。同親方の辞任は、17年の日馬富士問題以来、2度目となった。

 相撲協会によると、今年11月7日に、暴行を受けた力士の親族から、背中に熱湯をかけられるなどのいじめを受けているとの相談が寄せられ、翌日には力士本人から同様の相談があったという。事態を重くみた八角理事長(元横綱・北勝海)は今月1日に、コンプライアンス委員会に事実関係の調査と処分意見の答申を委嘱。この日の臨時理事会で調査結果などが報告された。

 調査報告によると、2人の幕下以下の力士は、今年4月から8月までの間に腕立て伏せ用の補助具(角材)で殴打したり、煮立ったちゃんこを背中にかけてやけどを負わせたりしたという。コンプライアンス委員会は、暴行した2人のうち3回にわたって暴行を繰り返すなど悪質だった力士には「引退勧告の懲戒処分」の見解を示し、暴行が1度だったもう一人には「将来性も考慮し、出場停止の懲戒処分が相当」とした。悪質だった力士はこの日、引退届を提出。もう一人は2場所の出場停止処分となった。

 また師匠の伊勢ケ浜親方も、10月には暴行の事実を把握していながら報告を怠ったことが判明。過去にも日馬富士の暴行問題の引責で理事を辞任しており、「降格の懲戒処分が相当」との見解が示されていたが、理事会前に八角理事長へ辞任届を提出した。同親方は横綱・照ノ富士の師匠で、番付や取組編成の責任者である審判部長の要職を務めていた。

 相撲協会は17年に起きた日馬富士事件などを受け暴力決別宣言を発表。再発防止の徹底を目指していたが、その日馬富士が所属していた部屋で再び不祥事が起きてしまった。

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2022年12月27日のニュース