アメフト同大 「伸びしろ」を感じた橋詰ヘッドコーチの初陣 日大再建した手腕で、かつての名門が甦る

[ 2022年4月23日 19:41 ]

学生アメリカンフットボール交流戦「今出川ボウル」   同大14―17京大 ( 2022年4月23日    宝ケ池球技場 )

同大・橋詰功ヘッドコーチ
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 フィールドには、調整段階の春とは思えない熱があった。3点ビハインドを追う同大最後のオフェンス。自陣16ヤードの地点から、QB佐々木康成(2年)が強気のパスでドライブを進める。時計を有効に使い、終了まで30秒以上残して敵陣37ヤードまで到達。「初陣」の橋詰功ヘッドコーチ(HC)も、気合いを入れ直した。最後は2度のホールディングが響いてゲームオーバー。「最後?(TDを)取りたかったですね」。試合後、冷静に振り返っていたHCが、一瞬だけ「勝負師」の顔をのぞかせた。

 2022年シーズンの初戦。例年をはるかに上回る観客が会場を訪れたのは、新しい指導者への「期待値」に他ならない。日本中を騒動に巻き込んだ2018年5月の「悪質タックル事件」で下部リーグ降格など、空中分解した日大を再建。一昨年の甲子園ボウルに導いた手腕を見込まれ、近年は1部と2部を行き来する同大の復活を託された。「日大で学んだことは、(コーチを務めた)立命大も日大も学生は同じということ。同志社へ来たからといって、やることは変わらない」。就任直後の2、3月は基礎といえるフィジカルトレーニングを徹底。4月の声を聞いてから、やっとアメフトの練習を始めた。「3週間くらいしかやってない割には、よくできたと思います」。名将の目には、伸びしろしか映っていない。

 2本のTDを奪う活躍を見せたWR浜田健(4年)も、目を輝かせて、「変革の一年」に踏み出したチームを評する。「橋詰さんが来られて、全てが変わった感じ。今すぐとは言えないけど、一戦一戦勝っていって、上を目指せる集団になりたい」

 同大といえば、第1回の甲子園ボウル(1947年)出場校。古豪復活に懸けるOBの思いは強い。「同志社の学生は、伸びようとするマインドが高い。育っていくのが楽しみですね」。過去の栄光や実績に頼らない。「等身大」の指導が低迷の続くチームの風景を変えていく。

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