中井孝治氏 スノボ・ビッグエア 男子1800、女子1260がメダル争い目安

[ 2022年2月14日 05:30 ]

スノーボード・ビッグエアに出場する日本の村瀬心椛(AP)
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 【今日のツボ教えます スノーボード・ビッグエア 中井孝治】スノーボード・ビッグエア(BA)は18年平昌で初採用され、今大会が2度目の実施。キッカーと呼ばれるジャンプ台から放たれる一発技は見応え十分だ。一方で決勝ではハーフパイプ(HP)やスロープスタイル(SS)とは異なる得点カウントが取られ、戦略面がメダル争いを左右する。見どころをプロスノーボーダーの中井孝治氏(37)が解説する。

 助走路を一気に滑り降りてキッカーから飛び出すビッグエア(BA)は、スロープスタイル(SS)やハーフパイプ(HP)よりも高回転技の競演となる。現在の回転数の最高とされるのは、男子で1980(5回転半)。女子では1440(4回転)が出るかもしれない。メダル争いは男子は1800(5回転)、女子は1260(3回転半)が目安になるだろう。

 HP男子で注目を集めた「トリプルコーク1440」は、斜め軸3回転に横回転を加えた大技。BAでも斜め軸で飛ぶコーク系の技が見られるが、実は1440以上の高回転になると、横回転だけ(フラットスピン)の方が着地が難しく、得点が高くなる傾向がある。SSでもそうした傾向が見られただけに、各選手がどんな技を選択するかも注目だ。

 決勝の得点カウントも試技3回のベストスコアで争うSSやHPと異なり、BAは試技3回のうちの高い方から2回の合計得点で争う。ベスト2スコアは飛び出しの方向を別にする必要もあり、1本目に立てる自信がある技を、2本目以降は攻めの姿勢で難度の高い技を打つのがセオリー。もちろん先にイチかバチかの技を打ってくる選手もいる。そうした戦略もメダル争いの鍵になる。

 着地が決まるかは着地面の硬さにも左右されるため、当日のコンディションも気になるところだ。日本は男女ともにベストパフォーマンスを発揮すれば、メダルに届く実力が十分ある。HPの勢いをつなげてほしい。(スノーボード・ハーフパイプ五輪2大会連続代表、プロスノーボーダー)

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