樋口新葉「自分らしく、いつも通りに」 北京五輪3枠争い“最終決戦” 4年前の悔しさバネに

[ 2021年12月23日 05:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権 ( さいたまスーパーアリーナ )

公式練習で動きを確認する樋口(撮影・小海途 良幹)
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 北京五輪切符3枚を巡る女子シングルの戦いは23日、ショートプログラム(SP)でスタートする。日本のエースと目されてきた紀平梨花(19=トヨタ自動車)の欠場が正式に発表され、混沌(こんとん)とした状況の下、初の大舞台を目指す樋口新葉(わかば、20=明大)は、完成度を高めてきたトリプルアクセル(3回転半)を武器に勝負へ臨む。

 樋口が順調な仕上がりを示した。公式練習の曲かけでフリー「ライオンキング」を流し、冒頭でトリプルアクセルを決めると、曲が終わってからも2度着氷。計3度にわたって大技を披露した。

 「緊張と楽しみが半分半分。凄く体も動いているので、集中していきたい。いいイメージを持って、油断しないように落ち着いて滑りたい」

 平昌五輪の出場を懸けた4年前。有力候補に挙げられながらも、12月のGPファイナルで最下位の6位となり、全日本でも4位に終わった。届きそうだった大舞台の切符は、するりとその手からこぼれ落ちた。

 その悔しさをバネに一つの武器として磨いてきたのが、トリプルアクセルだ。習得までの道のりは険しかったが、今年10月のジャパン・オープンで初めて試合で成功。その舞台は、今回と同じさいたまスーパーアリーナだった。10月末のGPシリーズ第2戦スケートカナダや先月のオーストリア杯などでも成功させており、完成度は高まっている。

 今大会ではリスクを考慮し、SPではトリプルアクセルを回避し、フリーのみに入れる予定だ。「緊張もするけど、あんまり考え過ぎずに。自分らしく、いつも通りにできたら」。リベンジへの思いを抱えながらも、平常心を強調した20歳。19番滑走に決まったSPで好発進し、大技を組み込むフリーに弾みをつける。

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