ツイッター自己紹介に「脱毛症箱根ランナー」 日体大のエース・藤本珠輝、レース前10分の思い

[ 2021年12月13日 19:59 ]

箱根駅伝への意気込みを語った日体大の藤本珠輝
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 第98回東京箱根間往復大学駅伝(来年1月2、3日)に出場する日体大が13日、同大健志台キャンパスで取材に応じ、エースの藤本珠輝(3年)は「自分がどんどんチームを引っ張りたい」と意気込んだ。

 日体大は10月の予選会では総合3位(10時間39分32秒)で本戦への切符をつかみ、今回で74年連続出場となる。そんな伝統校でエースとして期待される藤本。今年は7月に右足を疲労骨折し、8月には右アキレス腱炎症と満足に練習できない日々が続いたが、9月下旬から走り始め、現在はケガもなく、コンディションも良好だという。

 練習はいつも一人で別メニューで行う。「チームに合わせるというより、(質の高い練習を)一人でもできるように(決断)した。(チームに)わがままを言わせてもらった」と自ら考えたメニューをひたすら消化していく。課題のスピード強化に取り組み「手応えを感じている」と自信をのぞかせた。

 藤本のツイッターアカウントのプロフィールには「脱毛症箱根ランナー」と書かれている。小学5年の時から脱毛症に悩まされてきた。「ずっと病気と付き合ってきた」。走る際は専用のウィッグをレース前に準備するため、ストレッチや心の準備が満足に行えていなかったという。だが、最近では症状が改善され、今年5月の関東インカレからはウィッグなしで出場。「ウィッグを準備する10分ほどの時間が、ストレッチに変わった。この10分が、自分にとっては大きい」と打ち明けた。

 3年連続で箱根駅伝を走る。1年の時は5区を走って区間16位、2年の時は1区を任され区間8位だった。今回の目標は「1、2、3区のいずれかを走って、区間4位以内」を掲げている。チームの最大目標はシード権獲得。エースは「期待に応える走りをしたい」と誓った。

 ◇藤本 珠輝(ふじもと・たまき) 2001年(平13)1月14日生まれ、兵庫県出身の20歳。西脇工から日体大体育学部に入学。小学校時代はソフトボールで投手。長距離は中学校の陸上部で本格的にスタート。ハーフマラソンのベストは1時間2分13秒。座右の銘は「押してダメなら諦めろ」。

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2021年12月13日のニュース