大橋 弱気が「強み」に、日本女子初快挙の2冠背景には「ヘロヘロのメンタル」

[ 2021年12月7日 05:30 ]

スポーツニッポンフォーラム制定「FOR ALL 2021」表彰式 ( 2021年12月6日    東京ドームホテル )

<FOR ALL 2021>表彰状を持つ(左2人目から)大橋悠依、杉浦佳子、水谷隼。ミス日本グランプリの松井朝海(左端)とミススポーツの高垣七瀬(右端)が花を添える(撮影・篠原岳夫)
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 夏季五輪同一大会複数金メダルは日本女子初の偉業。グランプリを受賞して壇上に立った大橋悠依(26)が東京五輪競泳女子個人メドレー2冠の意外な要因を明かした。「私は全然ポジティブじゃなくて、凄くネガティブ。不安を自分でつくり出してプレッシャーにも弱い。最悪の事態ばかり考えて対策を練るので、それは裏を返せば強みでもある。それでいいんだと思えたことが良かった」。日頃から「ヘロヘロのメンタル」を自認。開き直ってレースの準備に生かしたことが躍進につながった。

 五輪後は8月26日にイタリアで開幕したチーム対抗戦の国際リーグに出場。約1カ月に及ぶ長丁場の戦いを終え、9月下旬にようやく一息ついた。現在は練習をしながら、自動車免許取得に向けて教習所に通う日々を送り、車庫入れは苦手。偉業達成の実感は今も湧いていないが、地元で小学、高校時代の恩師に再会し「金メダリストの先生になれてうれしい」と喜んでもらえたことで、成し遂げたことの大きさを再確認したという。

 次の目標は来年5月の世界選手権福岡大会。来年3月には日本代表選考会が実施される予定だ。大橋は「(24年の)パリ五輪までやるかは決めていないが、どこまでできるか楽しみ。来年は福岡で世界水泳がある。有観客か無観客か分からないが、自国開催で皆さんに泳ぎを見てもらえるかもしれない。そこで自己ベストを更新したい。今後を担う子供たちに何かエネルギーを伝えられれば」と、5カ月後に大観衆の前で金メダルを手にする瞬間をイメージした。

 ◇大橋 悠依(おおはし・ゆい)1995年(平7)10月18日生まれ、滋賀県出身の26歳。イトマン東進所属。草津東高から東洋大に進学し、北島康介らを育てた平井伯昌コーチに師事する。17年世界選手権200メートル個人メドレーで銀。19年世界選手権は400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得した。陸上の桐生祥秀とは同郷の同い年で、中学時代から顔見知り。地元彦根市のゆるキャラ「ひこにゃん」をこよなく愛する。1メートル74、57キロ。

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