バレーV2男子、ヴォレアス北海道が日本初の大規模実証実験 全観客ワクチン接種か陰性証明で入場

[ 2021年11月3日 05:30 ]

playgroundの伊藤社長(右下は入場ゲートに設けられた認証システムの入ったタブレット)=撮影・石川加奈子
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 バレーボールV2リーグ男子のヴォレアス北海道が開幕2連勝を飾った先月30、31日の旭川の試合会場で、日本初の大規模な実証実験が行われた。2日間計1008人の観客全員が、ワクチン接種もしくは抗原検査の陰性を証明して入場した。一部入場者に限定した実験はあったが、全入場者対象の実証実験は国の事業としては初めてだった。

 経産省やスポーツ庁の担当者も訪れる注目の実験が、なぜ旭川で行われたのか。背景には、ヴォレアス北海道の先進的な取り組みがある。昨季からチケットを全て電子化。デジタル部門を担うplaygroundの伊藤圭史社長(36)は「紙が残っていたら破たんするので、オール電子で運営しているヴォレアスさんじゃないとできなかった。チケット販売から入場、現地での買い物まで一つにまとめているクラブは世界的にもない」と語る。

 今回は同社が開発した電子チケットとワクチン検査パッケージのデータを連動させた。入場ゲートに置かれたタブレットに顔とQRコードをかざすと、チケット確認、本人確認、体温検査、ワクチン証明(接種もしくは陰性証明)、来場者登録の5項目が1・5秒で認識される仕組みだ。

 一般的なイベントでは5項目別々に確認作業を行うため、多くのスペースとスタッフを必要とし、長蛇の列になることもある。今回はワクチン未接種者のために、当日無料で受けられる抗原検査を実施。バス5台とスタッフ50人が準備したが、6割以上がワクチン接種証明の事前登録を済ませて入場し、混雑や混乱はなかった。

 伊藤社長が「旭川から世界への挑戦」と語った新たな試み。今後のイベント運営の新たなスタンダードになるかもしれない。

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