女子バスケ日本は銀メダル 「絶対女王」に奮闘も15点差 米国は7連覇

[ 2021年8月8日 12:49 ]

東京五輪第17日 女子バスケットボール決勝 ( 2021年8月8日    さいたまスーパーアリーナ )

銀メダルを手にした日本の高田(AP)
Photo By AP

 史上初めて女子バスケットボールの準決勝と決勝を経験した日本が、五輪の試合で54連勝中だった世界ランク1位の米国と金メダルをかけて対戦。サイズの違いをはねのけて最後まで奮闘したが75―90(前半39―50)で敗れて2位となった。

 米国には予選リーグで対戦して69―86。先発の平均身長では11センチのハンデ(米国は188・8センチ)を背負っていた。それでも日本は決勝の前半、これまで同様、今大会でダントツの“アシスト・クイーン(1試合平均13・8)”となっている町田瑠唯(28)を起点にしてオフェンスを組み立てて応戦。しかし町田がドライブを仕掛けてペイント内に入ったとき、アウトサイドから合わせてくる日本の「カッター」に対して米国が体を密着したために、なかなかパスする相手を見つけられない町田は前半で3アシストと苦しんだ。

 米国は日本が町田に対してスクリーンをピックしてくると、193センチのエイジャ・ウィルソン(25)や203センチのブリトニー・グライナー(30)といった選手が迷うことなくスイッチアップ。町田の速さに高さで対抗して日本のオフェンスを自由にさせなかった。

 トム・ホーバス監督(53)は前半途中で苦しむ町田に代えて昨年11月に右膝のじん帯を断裂している本橋菜子(27)を起用。本橋は3点シュートを4本決め、決勝では16得点と奮闘したが、グライナーに前半だけで18得点を許して米国のオフェンスをくい止めることができなかった。

 高田真希(31)がチーム最多の17得点。5試合を終えて全選手最多の19本の3点シュートを決めていた宮沢夕貴(28)は3点シュートを2本放ったものの成功はなく3得点、シューターの林咲希(26)もなかなかシュートを打たせてもらえず4得点。162センチの町田は6日の準決勝(対フランス)で五輪歴代最多となる18アシストをマークしたが、決勝では今大会では初めてひとケタとなる6アシストに終わった。

 日本は予選リーグから準決勝までの5試合で3点シュートの成功率が43・6%。しかし米国との初戦では26・3%、決勝でも31本中8本の成功にとどまり(成功率25・8%)生命線となっていたアウトサイドからの得点を抑えられた。

 米国ではグライナーが30得点と3ブロックショット、WNBAの2020年シーズンにMVPとなっているウィルソンは19得点と7リバウンド、5ブロックショットをマーク。2018年と20年のWNBAファイナルでMVPとなっているブレアナ・スチュワート(26)も14得点と14リバウンド、3ブロックショットを稼いだ。チームの3点シュートの成功は13本中4本だったが、リバウンド総数で44―38、ペイント内での得点では58―40。日本が1本も記録できなかったブロックショットを計12本浴びせ、一度もリードを許さない「WIRE TO WIRE」で金メダルを獲得した。

 <女子日本代表の成績>
 ★予選リーグ(B組)
 ▼7月27日=〇74―70●フランス(40・7%)
 ▼7月30日=●69―86〇米国(26・3%)
 ▼8月2日=〇102―83●ナイジェリア(48・7%)
 ★準々決勝
 ▼8月4日=〇86―85●ベルギー(42・4%)
 ★準決勝
 ▼8月6日=〇87―71●フランス(50・0%)
 ★決勝
 ▼8月8日=●90―75〇米国(25・8%)
 *カッコ内の数字は日本の3点シュート成功率

続きを表示

この記事のフォト

2021年8月8日のニュース