大迫傑の世界見据えた視線と優しい素顔 早大時代に取材した記者が当時を語る

[ 2021年8月8日 17:34 ]

差し入れしたケーキを手にする大迫傑(2011年12月撮影。早稲田スポーツ新聞会提供)
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 8日の東京五輪男子マラソンで大迫傑(30=ナイキ)が6位入賞を果たした。早大在学時に学生スポーツ新聞「早稲田スポーツ新聞会」の記者として大迫を2年間取材したスポーツニッポンの片貝早輝子が、当時のエピソードを振り返った。

 少年のような笑顔が忘れられない。大学2年の東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の直前、チームのエースの素顔を撮影するため、競走部の寮に好物と聞いていたチョコレートケーキを持参した。内心、一方的な差し入れに嫌な顔をされるかもしれないとドキドキしていたが、取材後にケーキを見せると「食べていいんですか?」と子どものようにモリモリ頬張り、「おいしいです」と笑ってくれた。

 大学入学当初から「今までとちょっと違う選手になりたい」「自分独自のものを確立したい」と話していた大迫。1年時に箱根駅伝で早大が総合優勝したことを「危機感」と語った。「自分が出たのは大学生の大会。もっと上のレベルで戦いたい」。視線は常に世界へ向いていた。

 “少年“が大人になり、貫いてきた独自の競技人生の集大成を、五輪6位入賞という形で飾れたことが感慨深い。(編集管理部・片貝 早輝子)

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