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“完全無欠”山西 開き直れれば金間違いなし リオ五輪銅・荒井広宙が語るメダル争いの行方

[ 2021年8月5日 13:30 ]

複数メダルを狙いレースに挑む(左から)池田向希、山西利和、高橋英輝
Photo By スポニチ

 陸上の男子20キロ競歩はきょう5日、札幌大通公園周回コースで行われる。近年、日本のお家芸となっており、今大会メダル有力種目の一つ。16年リオデジャネイロ五輪男子50キロ競歩で日本競歩史上初の銅メダルを獲得した荒井広宙(33=富士通)は現役選手としての視点を踏まえ、今季の国際大会の少なさが勝敗に影響する可能性があると指摘。山西利和(25=愛知製鋼)を筆頭に複数メダルも可能と展望した。

 男子20キロ競歩で盤石なのは19年世界王者の山西選手だと思います。合宿で一緒に練習をすることがありますが、歩型・実力ともに文句なし。しゃく熱のドーハでのレース経験もあるため、札幌の暑さ対策も問題ないでしょう。

 完全無欠の山西選手ですが、強いて課題を挙げるとすれば、真面目すぎて考えすぎてしまうクセがあるところでしょうか。試合前になって精神的に疲れてしまうと競技にも影響があります。開き直ってスタートラインに立てれば金メダルは間違いないでしょう。

 高橋英輝選手は代表メンバーの中でもトップレベルの身体能力を秘めているものの、大きな大会で結果を残せていません。これまで環境の変化に弱い部分がありましたが、今回は地元開催なので良い方向に働いていると思います。池田向希選手は練習が順調にできていると聞いています。記録も安定しているし、実力通りならメダルも狙えるはずです。

 競歩はマラソン・長距離と比べると、陸上競技の中で唯一、フォームにルールがあって「失格」があるのが特徴です。ゴール後にも失格してしまう場合もあり、選手には残酷ですが、そこも競歩の魅力。ジャッジから警告を受けない美しいフォームが求められます。

 今季はコロナ下で海外に出られませんでした。そのことで歩型に関して海外の国際審判員のジャッジを経験できなかった点で影響を受けるのではないかと心配しています。

 日本選手は例年6月にスペイン・ラコルニャで行われる国際大会に出場します。国際審判員に歩型を見てもらうことが目的で、課題を修正して五輪や世界選手権などにつなげていました。

 20キロ競歩は競歩種目の中で一番最初に行われるため、その時のジャッジがどういう基準で判断を下すのか早めに感じ取る必要があります。野球のストライクゾーンのように審判のクセを知ることが大切です。今回の代表選手は歩型に問題ないと思いますが、注意を払いたい点です。

 最後に、私の主戦場の男子50キロ競歩(6日)についても少し付け加えさせてください。4月に代表を決めたばかりの丸尾知司選手、日本記録保持者の川野将虎選手はメダルの可能性は高いと感じます。鈴木雄介選手の辞退でチャンスをもらった形の勝木隼人選手も練習の流れは良いです。

 あとはどれだけプレッシャーを感じずに開き直ってレースができるかだけ。20キロ、50キロともに日本のメダル、入賞ラッシュを楽しみにしてほしいです。 (16年リオデジャネイロ五輪男子50キロ競歩銅メダリスト) 

 ◇荒井 広宙(あらい・ひろおき)1988年(昭63)5月18日生まれ、長野県小布施町出身の33歳。長野・中野実高から競歩を始めた。福井工大などを経て、13年から自衛隊所属。16年リオ五輪男子50キロ競歩銅メダル。17年ロンドン世界選手権では同種目で銀メダル。19年から富士通所属として競技を続けている。

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