リアル二刀流・藤田倭3戦連発で開幕3連勝!カナダ戦勝てば決勝進出

[ 2021年7月25日 05:30 ]

東京五輪第2日 ソフトボール1次リーグ   日本5ー0イタリア ( 2021年7月24日    横浜 )

<日本・イタリア>6回、3ランを放つ藤田
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 ソフトボール1次リーグ第3戦が24日、試合会場を横浜スタジアムに移して行われ、日本はイタリアに5―0で勝ち、米国と並んで開幕3連勝とした。藤田倭(やまと、30=ビックカメラ高崎)が実質先発をして、今大会初の“リアル二刀流”を披露。投手としては3回途中で降板したものの、打っては3戦連発となる3ランを6回に放ち、勝利に貢献した。日本は25日のカナダ戦に勝利すれば決勝進出が決まる。

  投げて打って勝つ。藤田が「5番・投手」で先発し、“リアル二刀流”を実現した。リーグ戦ではなく、五輪で果たしたことに、「いい経験をしたというか、自分の中にプラスされた」と節目の一日だと捉えた。

 バットが好調だ。2―0の6回1死一、三塁で、豪快に左翼越えに3ランを放ち、イタリアの息の根を止めた。初戦から3戦連続に「状態がいいのは確か」と納得顔。「投」は3回無死二塁で降板したものの「悪くはなかった」と次戦以降への手応えをつかんだ。

 “倭魂”という言葉がピタリと来るような、ハートで勝負するタイプだ。佐賀女高時代は、右太腿裏の筋肉を断裂しながら1試合投げきったことがあった。真夏の大事な公式戦で、完投勝利をした後に倒れ込むこともあった。ベンチは騒然。熱中症だった。褒められた行為ではない。しかし、責任を果たすためならとことんやり抜く根性の持ち主だ。

 痛いかゆいを口にしなかった気骨の人の体が、16年についに悲鳴を上げた。右肘痛を我慢して投げ続けた結果、オフに遊離軟骨除去の手術を余儀なくされた。周囲が「手術するほどひどかったとは」と驚いたのも無理はない。そのシーズンは最多14勝を挙げ、打者としても本塁打王(8本)、打点王(20打点)に輝いていた。私生活でも苦しい痛みを抱えながら、投打のタイトルを手にしたのだ。

 五輪もこの日が折り返し地点。疲労をためないよう「3食をしっかり食べること。それが熱中症対策にもなる」と心掛ける。前夜は開会式をホテルでテレビ観賞した。中国から来日し、日本国籍を持つ宇津木麗華監督の指導者宣誓を見て、「日本に全てをささげる監督は本当に凄い」と、感銘を受けた。きょう25日のカナダ戦に勝てば、銀メダル以上が確定するが、恩返しは最も輝く色と、心に決めている。

 ≪ソフト特有ルール「DP出場→実質先発」≫先発として発表されたのは20歳の後藤で、藤田はDP(指名選手)として5番打者に名を連ねた。ただし、初回の守備に就く前に藤田がピッチャーとして登板。実質的な先発として試合を行い、その後、後藤は再出場選手として登板した。DP制度は初回から使用しなければ試合途中からは使用できないため、その後も選手起用に柔軟性を持たせるソフトボール特有の戦略となった。

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