服部真夕が涙の復活V 左打ちアプローチでイップス乗り越え「これが私のスタイル」

[ 2021年7月2日 16:46 ]

スカイ・レディースABC杯で優勝した服部真夕
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 女子ゴルフのステップアップツアー、スカイ・レディースABC杯は2日、兵庫県ABC・GC(6590ヤード、パー72)で最終ラウンドが行われ、首位から出た服部真夕(33=朝日インテック)が69で回り通算9アンダーで復活優勝を果たした。最終18番。ウイニングパットを入れてガッツポーズで喜んだ服部が、優勝インタビューでは言葉に詰まり、何度も目元をぬぐった。そして、表彰式ではこれまでの道のりを隠すことなく語った。

 「6、7年前からアプローチイップスに悩んでいて、本当に素人の方が見てもびっくりするぐらいのミスを連発していました。いろんなことを試すうちに左でアプローチするという新しい方法を見つけて優勝することができて自信になりました。悩んでいる方がいろんな選択肢があると思ってくださったらうれしいです」

 レギュラーツアー5勝の実力者はここ数年、アプローチイップスに悩んでいた。グリーン周りからウッドやユーティリティーで代用するなどさまざまな策を講じた。だが、結果は出ず、18年に賞金シードから陥落。19年から下部ツアーが主戦場となった。そのオフ、親しくしているキャディーの勧めでアプローチのみ左打ちに転向。名古屋市内のゴルフ用品店「ゴルフ5」でレフティー用の56度のウエッジを購入し、腹をくくった。20年シーズンから試合で本格的に試した。

 バーディー発進したこの日、3番パー3でパーオンを逃した際、左打ちで3メートル弱に寄せてパー。同じくパー3の8番も同様に打ち、パーセーブした。

 アプローチからイップスは一時、ショットにまで伝染し、14年のミズノクラシックでは初日に89の大叩きをした。「全部、打つのが怖かった。このままゴルフできなくなるんじゃないのかという不安があった」。今回の舞台は下部ツアーだが、15年CATレディース以来、6年ぶりの勝利の美酒。どん底から確実にはい上がった。「左のアプローチには賛否両論あるけれど、これが私のスタイル。これで勝ったから文句ないでしょうという感じです」と吹っ切れたように笑顔で言った。

 下部ツアー史上初の4日間大会で、最高額の優勝賞金720万円を手にし、賞金ランクは3位に浮上。来季の第1回リランキングまでのレギュラーツアー出場権が与えられる2位も見えてきた。苦しんだ分、得た物は大きい。

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2021年7月2日のニュース