多田 ボルト驚かせたスタートダッシュ復活!男子100メートル“史上最速決戦”制し涙
陸上・日本選手権兼東京五輪代表選考会第2日 ( 2021年6月25日 大阪市・ヤンマースタジアム長居 )
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自己記録9秒台が4人、東京五輪参加標準記録10秒05を突破した5人が集結した「史上最高レベル」の男子100メートル決勝は、多田修平(25=住友電工)が10秒15(追い風0・2メートル)で初優勝した。3位・山県亮太(29=セイコー)とともに条件を満たして代表を決めた。4位の小池祐貴(26=住友電工)が3枠目当確。右アキレス腱痛を抱えた桐生祥秀(25=日本生命)が5位、サニブラウン・ハキーム(22=タンブルウィードTC)は6位に終わり、この種目での代表入りを逃した。
多田がやっと主役になった。桐生が9秒98、山県が9秒95を出したレースは、いずれも2位。引き立て役続きの成績に別れを告げ、自然と涙があふれた。
「4年間くらい苦しい思いをして、日本選手権もずっと5位で、やっと復活ができた。感極まりました」
レース1時間半前にザッと雨が降った。照明が反射するトラックを先頭で引っ張った。出だしはいつも速い。問題は中盤以降だ。しかし、日本記録保持者の山県も、桐生もサニブラウンも小池も伸びない。代わりに外からデーデーが強襲した。
「ずっとゴールだけ見ていた。周りは見えていませんでした」
耐えた。粘った。10秒15。歓声を浴び、拳を強く握りしめた。前日24日が25歳の誕生日。生まれ育った大阪で、日本一の称号と五輪代表を初めて手にした。決勝に進んだ有力5人の中で唯一、自己記録10秒台の男が「史上最速決戦」で笑った。
直近3年の日本選手権は5位に低迷した。走りを見失い、試合好きが試合を嫌うほど苦しんだ。好調だった17年に、あのボルトも驚かせたスタートダッシュの迷いが、不振の原因だった。
頭を低く下げ、「こけるリスクがある」というほどの前傾姿勢で走りだす。「子供たちには、僕のはマネはしない方がいいと答える」と自嘲する独特の低い姿勢のスタートを、18年に変えたことが暗転の始まり。飛び出した瞬間の頭の位置を、「教科書のように」、人並みの高さに修正したところ、走り全体の歯車が狂った。
昨年から、関学大時代の“低いスタート”に戻した。6月に突如、全てがかみ合う。構えの際の視線を、「真下」から「靴1足分前」に変えたところ、「スムーズな重心移動で走れた」と、加速力が増した。終盤の失速が影を潜めた。6日の布勢スプリントで日本歴代6位の10秒01をマーク。4年ぶりの自己新で、自信を持ってこの舞台に上がった。
大会前からの眠れない日々からやっと解放される。「さすがに疲れました。休んで、五輪に集中して臨みたい」。リオ五輪選考会を兼ねた16年大会は準決勝敗退。「雲の上の存在」と見上げたライバルを5年かけて逆転した。次は世界を相手に逃げ切りを決める。
【多田 修平(ただ・しゅうへい)】
◆生まれとスポーツ歴 1996年(平8)6月24日生まれ、大阪府東大阪市出身。家族は両親と弟。小学校低学年はサッカーと水泳。東大阪市の石切中で陸上を始める。1メートル76、66キロ。大阪桐蔭高―関学大―住友電工。
◆自己ベスト 10秒01。17年6月には追い風参考(4・5メートル)ながら日本の競技会では初の9秒台となる9秒94をマークした。
◆リレーはお任せ 17年と19年の世界選手権でともに銅メダル。得意のスタートで1走を務めた。個人では17年大会で100メートル準決勝進出。
◆飛躍のきっかけは練習ノート 中学時代は無縁だった全国大会に、高3で初めて出場し100メートル6位。練習日誌に(1)1年(2)毎月(3)毎日、の3つの目標を記し、「夢が明確になった」と力を付けた。
◆カメラはプロ級!? 一眼レフカメラは片時も離せないパートナー。インスタグラムに掲載する凝った写真が人気。スイーツ好きでもある。
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