高野進氏 記録狙わず“自分の走り”貫いた山県 精神面充実で復活

[ 2021年6月7日 05:30 ]

陸上 布勢スプリント ( 2021年6月6日    鳥取市・ヤマタスポーツパーク陸上競技場 )

男子100メートル決勝、9秒95の日本新記録で優勝した山県亮太
Photo By 代表撮影

 【高野進氏が見た山県の9秒95】12年に10秒0台を出していた山県は、本来ならもう少し早く9秒台を出せると思っていた選手。今年は条件が良くないだけで走りは安定していたし、9秒台を狙うというより、自分の走りをやれば記録が出るという精神的な充実感が漂っていた。負傷でパッとしなかった19、20年から完全復活した印象だ。

 決勝は彼の持ち味であるスタートからの加速と中間疾走の体幹の乗せ方と足の運びが全くぶれなかった。加えて、ちょうど48歩目でフィニッシュするピッチが隣のレーンの多田と同調していた。前半で前に出る多田と全く同じリズムで引っ張られ、後半はじわじわとストライドを伸ばした。ここで力むと上半身が反って浮いてしまうが、吸い付くような接地で上体もぶれずにストライドをキープした一歩一歩が、多田との差になった。

 日本選手権はここまでの状態を見る限り山県、桐生、多田、サニブラウンの4人の争いだろう。サニブラウンはあまり試合に出ていないが、持っているものが違うので当然割り込んでくる。そこに調子が上がり切っていないケンブリッジや小池がどこまで仕上げてくるか。うまく調整できれば、条件次第で複数人の9秒台も期待できる。(男子400メートル日本記録保持者、92年バルセロナ五輪8位、東海大体育学部教授)

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